“赤い闘牛”さながらの戦いを期待できる陣容に。日本初の外資100%で生まれ変わったRB大宮のポテンシャル

2025年02月02日 松澤明美

新加入の目玉は豊川雄太

25シーズンはJ2で戦うRB大宮。写真:鈴木颯太朗

「今日の始まりが夢の始まり」――。

 コマーシャルディレクターのフィリップ・ヴンダーリッヒ氏の新体制発表での言葉だ。世界的飲料メーカーのレッドブルが新オーナーになり、「RB大宮アルディージャ」としての元年がスタートを切る。J1昇格を目標に掲げ、シンボルの"赤い闘牛"さながらの戦いを期待できる陣容が整った。

 今季は2年ぶりにJ2へ戻り、長澤徹監督が引き続き指揮を執る。そのもとでJ3優勝を飾った主力選手が全員残留し、なかでもレンタル移籍だったFW杉本健勇はジュビロ磐田、MF泉柊椰はヴィッセル神戸から完全移籍を選んだ。2人とも「かなり大きな決断だった」と口を揃え、強い覚悟が伝わってくる。

 その軸となるメンバーに、9人の新しい顔触れが加入した。目玉はMFの豊川雄太だろう。長澤監督とは、かつてファジアーノ岡山、京都サンガF.C.でもともに高みを目ざし、今回で3度目。豊川は「徹さんとやると熱くなれる」と信頼を寄せ、練習でも率先して声を張り上げるなど精力的だ。
【画像】新生RB大宮アルディージャの沖縄トレーニングキャンプに潜入!
 DFガブリエウとFWカプリーニは横浜FCでJ1昇格の力になった。キャプテンだったガブリエウは「J3からJ2に上がり、なおかつJ1に上がることはものすごく面白いし、そこに挑みたい気持ちがあった」と言う。経験を活かし、再び日本最高峰の舞台を目ざす。

 このほかGK坪井湧也、MF谷内田哲平、DF安光将作、アカデミー出身組で大卒のDF福井啓太とMF中山昂大、大宮U-18から昇格のFW磯﨑麻玖と攻守にバランスよく人材を獲得。選手データはレッドブルと共有されていて、昨季の土台へ上積みできると判断したメンバーたちが揃った。

 スタッフ陣も各部門で増え、より"チーム長澤"になった印象を受ける。腹心に加わった戸田光洋コーチは長澤監督と縁が深く、FC東京では選手として、岡山はコーチとして共闘してきた。昨季までの5年間は川崎フロンターレでコーチを務め、培ったノウハウをさっそく落とし込む。

 新シーズンは「強度の高さのなかから技術を発揮する」(MF小島幹敏)がテーマの一つ。昨季に鍛えた強度に、FW藤井一志は「戸田コーチがきてからトレーニングの初めに、"止めて蹴る"を毎日やっている」と技術を意識。「いろいろなアイデアを仕込んでくれる」と好評だ。

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