涙の代表戦から成長の跡を見せた浅野。再び決定機を逃したシーンの裏側には… 

2016年06月12日 本田健介(サッカーダイジェスト)

“ゴール前での余裕”に成長の手応えを語る

この日は66分から登場した浅野。代表戦での悔しさを糧に積極的にシュートを狙った。(C)J.LEAGUE PHOTOS

「自分の未熟さが出てしまった」
 
 そう語る浅野拓磨は、J1第1ステージ15節の神戸との一戦で、66分からピッチに立ち、終了間際に決定的なチャンスを迎えた。鋭い動き出しでP・ウタカからのスルーパスを呼び込むと、GKと1対1になったのだ。

 先日の日本代表でのボスニア・ヘルツェゴビナ戦では、終了間際の同様のチャンスに味方へのパスを選択。結果的にそのパスはつながらずチャンスを逃して涙した浅野にとって汚名返上の機会――しかし、「GKの上を狙った」というシュートは、飛び出してきたキム・スンギュの好セーブに遭ってしまった。
 
 繰り返してしまった試合終了間際での決定機逸。それでも本人は「周りからはいろいろ言われるが、下を向いていてもしょうがない」と前を向く。
 
「最後のシュートはキーパーに当ててしまいましたが、イメージは自分のなかでできていたので、ゴール前で余裕は持てていました。あとはそのイメージをいかに技術でゴールに結びつけるかが大事。判断が正しかったのか反省はしないといけないと思います。ただ、(ゴール前で)余裕を持てていることは去年からの成長だと思います。よりこだわってやっていきたいです」
 
 あの代表戦のあとにはさまざまな声を聞いたという。しかし、それを自分のなかで消化し、成長するためになにが必要かを考える頼もしき姿がそこにはあった。
 
「貪欲にゴールを狙っていくというのは自分として日頃言っていたことでしたが、代表戦では最後にパスを出してしまって、その選択が悪かったとは思いませんが、ゴールにはつながっていないので、シュートを打っても良かったのかなと。貪欲さという部分は改めて自分に足りていないのかなと思いました。さらに貪欲さプラス決め切る力も身に付けないといけない。
 
 それと、やっぱりシュートを打たないとゴールは入らないと改めて感じたので、今日はチャンスがあればどんどん打って行こうと思っていました。自分が決めて勝ち越そうという強い気持ちがありました」
 
 その言葉通り、果敢にシュートを狙うプレーからは"ジャガー"のような躍動感が溢れていた。
 

次ページ連戦の疲れも見せず。

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