ナポリが本当に欲しかった日本人選手は? 目論むアジア市場開拓の舞台裏、名物会長は今も熱心に情報収集【識者の見解】

2024年10月26日 垣内一之

日本人選手の獲得を狙っているのは紛れもない事実

“金も出すが口も出す”ナポリのデ・ラウレンティス会長(右)。今季はコンテ監督(左)を招聘し、覇権奪還を期す。(C)Getty Images

「ナポリが(来年)1月か6月にアジア人選手獲得? お気に入りは三笘、久保」
 
 これはイタリアのサッカー専門サイト『トゥットメルカート』が10月17日に配信した記事の見出しだ。
 
 いわく、22~23年シーズンのセリエA覇者ナポリが、アジア市場開拓へ、移籍マーケットがオープンする来年1月か6月(実際は7月)にアジア人選手を獲得することが濃厚で、日本人、韓国人が候補になりそうだという。
 
 ただし、当該国籍の選手なら誰でも良いというわけではない。アイデアとしては、長きにわたってナポリのアジアでのブランド力を高められる若いスターで、しかもハイスペックな選手がターゲット。そして、その2つの条件を十分に満たしているのが、文字通り日本サッカー界を引っ張る三笘薫(27=ブライトン)、久保建英(23=レアル・ソシエダ)の2選手だというわけだ。
 
 当然、どちらを獲得するにも多額の移籍金が必要。実現には、ガラタサライに期限付き移籍中のナイジェリア代表FWオシムヘン(25)を筆頭に、主力1~2人を放出し、資金を工面することが不可欠だと同サイトは付け加えている。
 
 実は、この類いの記事が出るのは、今回が初めてではない。遡ること約1年半前の2023年6月、奇しくも同サイトは同じくナポリの日本人獲得の可能性を報じていた。
 
 その時は、33年ぶりのスクデット獲得に大きく貢献した韓国代表DFキム・ミンジェのバイエルン・ミュンヘン移籍が濃厚で、後釜として当時シュツットガルトに所属していたDF伊藤洋輝(25=バイエルン)、ボルシアMGのDF板倉滉(27)らの名前を候補に挙げていた。
 
 では、実際はどうなのか? 結論から言えば、ナポリが日本人選手の獲得を狙っているのは紛れもない事実だと断言できる。2023年5月29日にイタリア国営放送のRAIの番組に出演したアウレリオ・デ・ラウレンティス会長は、「日本人獲得? それはまさに今、我々がしていることだ! ここに来る時に、日本人の友人から、日本でスカウトをするための契約書の草稿を送ると連絡があったところだ」と明言している。
 
 後々に知ったことだが、実はデ・ラウレンティス会長は当番組に出演する直前、日本サッカーに精通する日本在住のイタリア人に接触し、情報を収集したばかりだったという。そして今もなお、日本に住むイタリア人を中心に、限られた情報網の中で、日本人選手の情報収集を行なっている。

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