【鹿島】5月は首位・川崎を上回る“勝点13”。猛烈な巻き返しで逆転優勝に望みをつなぐ

2016年05月30日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

苦しんだ横浜戦で勝利。「この勝点3は大きい」(山本)。

5月最後の甲府戦は4-0と完勝を収める。土居(中央)が2発、柴崎(10番)、金崎(33番)がそれぞれ1ゴールずつと攻撃陣が爆発し、今季初の3連勝を達成した。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 第1ステージの優勝戦線で、鹿島が猛烈な巻き返しを見せている。
 
 今季は開幕2連勝と好スタートを切った。しかし、3節・仙台戦は完封負けを喫し、5節・川崎戦は1-1と勝ち切れず、その後、広島と湘南を相手に今季2度目の連勝を飾るも、8節・柏戦は0-2で敗れ、続く大宮戦はスコアレスドロー。好不調の波が小さくなく、思うように順位を上げられなかった。
 
 ところが5月に入ると、上昇気流に乗り始める。ナビスコカップでは5月18日の湘南戦に敗れ、グループステージでの敗退が決まるなど連覇の夢は早くも潰えたが、リーグ戦に関しては、安定した力と勝負強さを発揮するようになる。
 
 連戦の中で行なわれた10節・新潟戦(同4日)は、1-1で迎えた79分、西大伍の今季初ゴールが決勝点に。11節・磐田戦(同8日)は1点リードを追いつかれるも、逆転弾を許さずに勝点1を分け合う結果となった。
 
 ここまでの流れは特筆すべきものではない。ただ、12節・横浜戦(同14日)は、「苦しい試合だった」(柴崎岳)と、内容は悪いながらも金崎夢生の1点を守り切って完封勝利を収めると、風向きが変わってくる。「この勝点3は大きい」と山本脩斗が語ったように、チームは確かな手応えと自信を得て、それを結果に反映させるようになる。
 
 13節・名古屋戦(同21日)では、0-1、1-1、1-2、と2度のリードを許す苦しい展開だったが、86分に途中出場の鈴木優磨が同点弾を流し込むと、ロスタイムにはカイオが値千金の逆転ゴールを突き刺す。
 
 先述したとおり、名古屋戦の3日前にはナビスコカップで悔しい想いをしたが、気持ちを切り替えてリーグ戦に臨み、粘り強く勝点3を掴み取った。
 
 そして迎えた14節・甲府戦(同29日)。今季初の3連勝がかかる一戦は、人数を割いた甲府の固い守備に手こずったが、前半終了間際に土居聖真がネットを揺らすと、後半開始早々に再び、土居が2点目をゲットし、さらに柴崎、金崎が加点し、終わってみれば4-0の完勝を収めてみせた。
 
 5月に組まれていたリーグ戦5試合の戦績は、4勝1分。稼いだ勝点13は、現在、暫定で首位に立つ川崎を上回る数字である(川崎は3勝2分、勝点11)。
 

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