現地ベテラン記者が香川真司を密着レポート「クラブの視線は早くも新シーズンへ」

2016年05月26日 マルクス・バーク

人々の関心はすでに来季に向けての戦力補強などに向いている。

PK戦で敗北という悔しいかたちでのシーズンの幕引きとなったが、それもすでに過去の記憶となっている。 (C) REUTERS/AFLO

 クラブ誕立の地からほど近いボージッヒ広場には、すでに何週間も前から、通行止めを予告するプラカードが掲げられていた。
 
 しかし、5月21日のDFBカップ決勝の後、再び取り払われた。立ち入り禁止区間で予定されていた盛大なパーティーは、今回も行なわれることはなかった……。
 
 バイエルンにPK戦の末に敗れ、ファイナルでの4回連続の敗を喫したドルトムント。しかし、心を曇らせる必要はない。タイトルを手にできなかったとはいえ、新監督トーマス・トゥヘルの下で、非常に良いシーズンを過ごしたのは事実なのだから。
 
 サッカーの世界ででは、人々の視線はすぐに前に向けられる。長い戦いが終わったばかりだというのに、彼らの頭は、もう来シーズンに向けての興味で一杯だ。どんなメンバー構成になるのか? どんな戦術的を採用するのか?……。
 
 選手の顔ぶれが気になるのは仕方がない。守備の要だったキャプテンのマッツ・フンメルスがバイエルンへ移籍し、中盤のイルカイ・ギュンドアンも、膝の手術により長期離脱したままで、おそらく今週中にマンチェスター・シティーへの移籍を発表するものと思われる。
 
 このふたりの離脱は、ドルトムントにとっては非常に大きな痛手ではあるが、これによって、6000万ユーロ以上もの移籍金が転がり込む。
 
 これを元手に、ドルトムントがCBの補強に乗り出すのは間違いない。
 
 以前からは、ニクラス・ジューレ(ホッフェンハイム)、エメル・トプラク(レヴァクーゼン)、そしてディナモ・キエフのアレクサンダー・ドラゴビッチの名が獲得候補として挙がっているが、これから全く新しい名前が出てくる可能性もある。
 
 もちろん、他のポジションの補強も進められるはずだが、なかでもFWピエール=エメリク・オーバメヤンのバックアップ・プレーヤーを獲得する可能性はかなり高いと思われる。後半戦でオーバメヤンは明らかに疲労の色が濃かっただけに、この補強は非常に有用なものとなるだろう。
 
 また、すでに加入が決まっている選手もいる。ミケル・メリノ(オサスナ)と、ウスマンヌ・デンベレ(レンヌ)だ。後者については、欧州の多くのトップクラブが注目していた逸材であり、この19歳のFWがいかなる影響をドルトムントにもたらすかは非常に興味深い。

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