【移籍専門記者】ナポリのCBクリバリをバイエルン、チェルシー、マンUなどが争奪!

2016年05月19日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ナポリの前にはメガクラブがオファーを握りしめて列を作る。

屈強なフィジカルを武器に相手FWを封じれば、正確な足技でビルドアップの起点にもなれるクリバリ。メガクラブが興味津々だ。(C)Getty Images

 安定感と信頼性という意味で、15-16シーズンのセリエAのCBでも傑出した進歩を見せたのが、ナポリのカリドゥ・クリバリだ。
 
 誰もが認めていたその潜在的なクオリティーをフルに、そしてコンスタントに発揮した。公式戦通算で42試合、3676分というプレータイムは、マウリツィオ・サッリ監督がセリエAだけでなくELやコッパ・イタリアでも彼を頼ったことを示している。ターンオーバーという言葉は、クリバリには無縁だったのだ。
 
 メルカートがそんな存在に気付かないはずがない。今やナポリの前には、バイエルン、チェルシー、リバプール、マンチェスター・ユナイテッドなどが、クリバリへのオファーを握りしめて列を作っている。
 
 すでにマッツ・フンメルスを獲得済みのバイエルンは、メディ・ベナティアが退団を希望していることもあり、カルロ・アンチェロッティ新監督がクリバリ獲得を望んでいる。
 
 また、チェルシーもジョン・テリーと1年間の契約延長で合意したとはいえ、そもそも頭数が少ないCBの補強は確実。アントニオ・コンテ新監督はアントニオ・リュディガー(ローマ)に惚れ込んでいるが、難しければクリバリかコンスタンティノス・マノラス(ローマ)にターゲットを切り替えてきそうだ。
 
 リバプールはドーピング違反で長期出場停止処分を受けそうなママドゥ・サコの後釜として、同じくフィジカルの強いクリバリに興味を示す。ユナイテッドはマノラス、リュディガー、ジョン・ストーンズ(エバートン)とともにクリバリを補強リストに入れている。
 
 クリバリ本人はステップアップの移籍を望んでおり、ナポリからの契約延長オファーを保留している。引き留めるのは難しいだろう。ただ、ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長は保有選手を絶対に安売りしないことで有名だけに、獲得を狙うクラブは相応の移籍金を用意する必要がありそうだ。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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