小久保玲央ブライアンに憧れて。J2水戸内定の早川ウワブライトが描く未来像「“ここぞ”という場面で止めるGKになりたい」

2024年08月06日 安藤隆人

積極的なプレーで2-1の勝利に貢献

無限のポテンシャルを秘めた早川。自己分析を徹底し、貪欲に成長を期す。写真:安藤隆人

 日体大柏が誇る守護神・早川ウワブライトは、190センチのサイズを持ち、鋭い反射神経とセービングセンス、ビルドアップ能力を兼ね揃えている。

 今年7月にJ2水戸ホーリーホック入りが内定した早川は、福島でインターハイが開催されていたなか、地元柏市を中心に行なわれたフェスティバルであるパワーワークカップ2024でプレーしていた。

 大阪産業大学付属との一戦では、常に声を出してディフェンスラインをコントロールしたり、味方と綿密なコミュニケーションを取ったりする姿があった。得意とするハイボールの処理やビルドアップでも高い位置でボールを受けて参加するなど、積極的なプレーを見せて2-1の勝利に貢献した。

 試合後に話を聞くと、そのテンポの良い返しから、彼の持つ本当の魅力を知ることができた。

「自分はハイボールの対応とシュートストップ、ロングボールのキックを武器にしています。ただ、今日の試合で感じたのは、ビルドアップの参加のところで、(パス回しに)入るタイミングだったり、縦につけていくタイミングだったりが甘かったですし、背後を狙ってくるチームに対して、もっと僕が前に出てカバーをしていくべきシーンもあったので、僕がもっと最終ラインとのコミュニケーションを深めていかないといけないと思いました」

 終わった試合の分析をして言葉にできる。この話を聞いた時、サッカー談議をしたくなった。1失点を喫したシーンは、相手のクロスから左右に揺さぶられてからのシュートに対応できなかった。その際、ステップが大きくなりすぎて、最後のシュートに対応する姿勢が崩れていたことを指摘すると、早川は「その通りです」と口にして、こう続けた。
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「折り返しが続いた際にボールに寄りすぎてしまったことで、シュートに対応しきれない状況を作ってしまいました。今思うと、あそこで折り返されると分かった時点で、ポジションを内側(ゴール寄りの位置)にして、その時にシュートに対する構えをしておけば良かったなと思います。

 一歩目を前に出すべきなのか、後ろに下がるべきなのか。相手の方が速くて追いつかないと思ったら、変に動かないで構える判断をするなど、細かいステップや構えるスピードはここのところずっと意識をしているからこそ、そこの甘さを痛感しました」

 高い自己分析能力。なぜそこまでしっかりと分析できるのかを問うと、日体大柏で過ごした時間によって磨かれたと早川は語った。

「2年生の夏まで、あまり(日体大柏の)トップに絡めないこともあって、平日は(学校が相互支援契約を結んでいる)柏レイソルU-18の練習にずっと参加していたんです。その際にレイソルの吉川脩人GKコーチ(現・ギラヴァンツ北九州トップチームGKコーチ)に『レイソルは試合を通して、今日のプレーはどうだったかを動画を見て分析するんだ』と言われ、僕も動画を見てレポートを提出することをやっていたんです。

 それをやっていくにつれて、自然と自分で『もっとこうしておけば良かった』と思ったり、分からなかったらゴールキーパーコーチと直接コミュニケーションを取ったりすることが当たり前のようになっていきました」
 

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