凄い年下・久保建英とU-16代表のサバイバル。FC東京U-18の1年生MF・平川怜が受ける成長への刺激

2016年05月09日 安藤隆人

久保の活躍には嫉妬も!?「建英が活躍すると、ちょっと『え~』ってなりますね(笑)」

1年生ながら強豪のFC東京U-18で早くも定位置を掴んだ平川(左)と中学3年ながらU-18に昇格し、ゴールも決めている久保(右)。ともに将来性豊かな選手たちだ。写真:安藤隆人

 昨年のチャンピオンチームである鹿島ユースを相手に3-0と勝利を飾り、2節から破竹の4連勝で首位を走るFC東京U-18。この完勝劇の立役者のひとりとして、今春高校生になったばかりのMF・平川怜が大きな存在感を放った。
 
 ボランチでスタメン出場した平川は、「前節の柏U-18戦で初めて先発フル出場を経験して自信がついた。今日は2試合目だったので、ちょっと慣れて来たと思います」と語ったように、この試合でも正確な長短のパスとポジショニング、守備面では球際の強さを発揮し、84分に交代するまで攻守に安定感をもたらした。
 
「落ち着いてプレーしてくれる。しっかりと考えることができ、サッカーIQが高い選手。守備面でも身体を張ってくれる」と語る佐藤一樹監督からの評価も高く、平川は1年生ながら指揮官の信頼をがっちりと掴み取った。
 
 それでもこの日、試合が終わってみれば話題の中心にいたのは、後半途中から投入された"中学3年生"のFWだった。
 
 2-0で迎えた76分に途中投入された久保建英は、4分後の80分に圧巻のプレーを見せる。敵陣中央でボールを受けると、周りにいた鹿島DF3人の足を止めるかのようなドリブルで前に運び、強烈なシュートを突き刺した。
 
 試合を決定付ける個人技によるファインゴールに、東京ガス武蔵野苑多目的グラウンドに詰めかけた多くの観衆はどよめいた。さらに後半アディショナルタイムには左サイドをドリブルで突破してゴールに迫るなど、たった十数分の出場時間で大きなインパクトを残した。
 
「建英が活躍すると、ちょっと『え~』ってなりますね(笑)。でも、尊敬もしていますし、オフのところでは良い仲間です。今日はあいつに持って行かれましたけど、すごく良い刺激になっています。やっぱり凄い選手が年下にいるので、もっと自分も負けないように頑張らないといけないですね」
 
 1年で名門・FC東京U-18のレギュラーを張っているだけでも凄いが、1学年下の中3で注目を集める久保の存在がある限り、彼は常に危機感を抱きながらプレーをしている。その刺激が平川自身を成長させているのだ。
 

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