【MLS】工藤壮人がアメリカ挑戦で直面する"壁"。ピルロやビジャを擁するNYC FCでも苦戦するMLSのレベルとは?

2016年05月04日 杉浦大介

10試合中6試合の出場で、スタメンは3回止まり。フラストレーションを溜める工藤。

「MLSのレベルの高さ、良さが(日本に)伝わらないのが不思議なくらい」。満足な出場機会を得られずにもがいている工藤は、MLSのクオリティをそう語った。写真:杉浦大介

「もちろんストレスは溜まっていますし、溜まらないようでは(いけない)。点を取らなければいけない。それを求められてチームに来ているわけですから、貢献できていない悔しさもあります。今日の試合でもスペースはかなりあったんで、使ってもらえればやれる自信はあった。起用されなかったことは、次に切り替えるしかないです」
 
 4月30日、ニューヨークでのNYC FC戦後、バンクーバー・ホワイトキャップスの工藤壮人は悔しさを噛み殺しながらそう語った。
 
 昨季ウェスタン・カンファレンス2位だったバンクーバーは、今季3勝5敗2分と苦戦中。この試合では、ダビド・ビジャに2得点を奪われて2−3で惜敗した。工藤は10試合中6試合の出場(スタメンは3度)に止まり、この日もプレー機会はなかった。
 
 柏レイソル時代は、クラブ史上最多得点を記録したゴールゲッターが、今季から移籍したMLSではまだノーゴール。得点力を期待されてバンクーバーに来ただけに、チームにとっても誤算になっているのは事実だろう。
 
 特にNYC FC戦では、昨季は10ゴールをマークしたFWオクタビロ・リベロが前半に負傷交代していた。それにもかかわらず、出番はなかった。得点が欲しかった敵地でのゲームで、力が出せないどころか、その機会すら与えられなかった工藤のフラストレーションは想像に難くない。
 
「MLSのレベルの高さ、良さというのが(日本に)伝わらないのが不思議なくらい。日本よりもレベルの高い部分は非常に多くある。もちろん繊細さ、チームとしてのまとまりといったところでは日本の素晴らしさがありますけど。こっちはこっちでもっと注目されて良いリーグだと思います」
 
 そう語る工藤も事前に想定していた通り、現在のMLSのレベルは決して低くない。ビジャ、アンドレア・ピルロ、フランク・ランパードを擁するNYC FCも昨季はプレーオフ進出を逃し、今季もここまで2勝3敗4分と苦戦中。ニューイングランド・レボリューションの小林大悟も、「誰かが軽い気持ちで入ってきて簡単に活躍できるようなリーグではない」と述べていた。
 

次ページ「ビジャとピルロがいるチームでも…」。どこが優勝してもおかしくないMLSのレベルの高さを痛感。

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