【NIKE MOST WANTED】果敢なドリブルを見せた波田野海が英国本拠『ナイキアカデミー』行きの権利を獲得! 一方で持ち味を出せなかった高梨起生は…

2016年05月02日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

前日までと違って明暗が大きく分かれた日本人の2人。

積極果敢なドリブルという最大の持ち味を随所で見せた波田野。見事、ナイキアカデミー行きの権利を勝ち取った。(C)NIKE

 現地時間5月1日、フランス・パリ郊外にある世界最高峰のトレーニングセンター『クレールフォンテーヌ』で、『NIKE MOST WANTED グローバルファイナル』が最終日を迎えた。
 
 地元フランスをはじめドイツ、イタリア、ブラジル、オランダなど世界中から40名が集結したこの一大スカウトプロジェクトで、"日本代表"のMF波田野海(聖和学園高校卒)が見事に合格。イングランドに本拠を置くプロ養成所『ナイキアカデミー』に入寮する権利を得た。一方、同じく18歳のMF高梨起生(尚志高校→流通経済大学)は、らしさを見せられず落選の憂き目を見た。
 
 4月27日に開幕したセレクションもこの日がラストデー。これまで同様の3チームに分けられ、午前中は4対4のパスゲーム、CKからのカウンター確認、フォーメーションの確認などのメニューをこなした。
 
 そして、午後にはナイキアカデミーを含む4チームで30分1本の総当たり形式の試合。波田野と高梨が組み込まれたAチームは、ナイキアカデミー、Cチーム、Bチームの順でゲームを戦った。
 
 ナイキアカデミー戦で4-2-3-1の左ウイングに入った波田野は、良い形でボールを持てば果敢にドリブル突破を狙う積極的な姿勢を披露。高梨のボールカットから持ち込んだ試合中盤のドリブルシュート、終了間際に相手の激しいタックルを食らった突破など、随所で輝きを放った。
 
 そのラストプレーで痛めた左膝が心配された2戦目は、右SBでフル出場。本人も「初めてやりました」と語ったポジションだが、位置取りを大きく誤るほとんどシーンはなかったし、パスやドリブルで攻撃にも絡めていた。3戦目は左ウイングに戻り、左足の惜しいフィニッシュ、正確なパスワーク、さらに1戦目でコーチ陣に指摘されていたディフェンスの軽さも改善。現代フットボールの潮流に合わせて攻守におけるインテンシティーを重視するナイキアカデミーだけに、これが合格の決め手となった。
 
 前日までのトレーニングで技術と視野の広さを証明していた高梨は、ナイキアカデミー戦で"花形"のトップ下を託される。ただ、ボールを持てばそれなりに違いを作ったものの、良い形でパスを受ける機会は少なく、「10番」としては物足りない出来。守備の軽さも目に付いた。ベンチスタートだった2戦目は怪我をした左SBに代わって途中出場したものの、不慣れなポジションとあってアピールできず。さらに、右ウイングに入った3戦目も、らしさを見せられずに終わった。

次ページ海外挑戦を目指していた波田野にとっては千載一遇のチャンスだ。

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