【G大阪】ACL敗退の要因は、2大エースの不振。誤算続きの"長谷川ガンバ"は復調できるのか

2016年04月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

決定機を確実に決め、粘り強く戦うのが本来の“長谷川ガンバ”。しかし、「今は攻守の歯車が噛み合っていない」(東口)

PKを外した宇佐美は、「サッカーの恐ろしさを知った」と自らを責めた写真;小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 8年ぶりのACL制覇を目標に掲げたG大阪だが、ACLの水原三星戦で1-2と完敗し、まさかのグループリーグ敗退。うつむきがちにゴール裏への挨拶に向かった長谷川健太監督と選手たちに向かって、容赦のない罵声が飛んだ。
 
「サポーターのブーイングは妥当だし、申し訳ない気持ちでいっぱいです」
 
 試合後、今野泰幸がこう振り返ったとおり、昨年のアジア4強クラブは低調過ぎる内容で、グループリーグ最終節を待たずして「アジア制覇」の夢が途切れた。
 
 点を取り切れず、ゴールを守り切れず――。今季の戦いぶりを象徴するような内容が、まさに水原三星戦だった。この一戦に勝利し、他会場の上海上港対メルボルン・ビクトリー戦の結果次第で決勝トーナメント進出に望みがつながるはずだった。しかし現実はそうならず、呪われたかのようにゴールから見放されたのだ。
 
 35分には、丹羽大輝がラッキーな形でPKを得ると、キッカーに名乗り出たのは宇佐美貴史。昨年はグループリーグと決勝トーナメント1回戦で貴重なゴールを決めて、チームの躍進に貢献した背番号39だったが、今大会はノーゴールと苦しんでいた。
 
 本来、PKのキッカーは遠藤保仁だが、宇佐美の志願に対して「流れが悪い時は、エースが決めるのが一番いいですしね」とキッカーを譲るも、痛恨のキックミス。セーブされた一回目のキックは相手GKが早く動いたためやり直しとなったが、二度目のキックもGK正面に飛んだ。
 
 エースは「みんなの頑張りだったり、粘り強さを、ワンプレーやひとりのミスでそういうことになってしまうという、サッカーの恐ろしさを知った」と自らを責めたが、チームの負の流れがもたらしたプレーでもあった。
 
「要因を挙げるとすれば、ひとつだけではない」。長谷川監督がこう振り返るように誤算続きの序盤戦だったが、指揮官の読みが外れたのは低調な前線だった。
 
「今は攻守の歯車が噛み合っていない」と、最後尾からチームを眺める東口順昭は振り返る。決して数多いとは言えない決定機を、確実に決め、そして粘り強く戦うのが、本来の"長谷川ガンバ"のスタイルだ。

次ページ連戦を強いられた遠藤のパフォーマンス低下も遠因ではあるが…。

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