【U-18プレミア】風貌は全少制覇の頃のまま… 本家ロナウドの背中を追う柏U-18・中村駿太が魅せた抜群の得点嗅覚!

2016年04月21日 安藤隆人

途中出場の開幕戦で同点アシスト、続く2節は昨季王者相手に2ゴール!

昨季王者の鹿島ユースを相手に2ゴールを奪った中村。屈強なフィジカルと駆け引きに長けたプレーを見せた。写真:安藤隆人

 柏U-18が基本布陣とする4-1-4-1の最前線に君臨する2年生エース・中村駿太にとって、高円宮杯U-18プレミアリーグEAST2節のアウェー・鹿島ユース戦は今季初スタメンとなった。中村はこの試合を自身にとっての『開幕戦』と位置付けた。
 
 1節の横浜FMユース戦。ベンチスタートとなった中村は、0-1で迎えた59分に投入されると、得意のドリブルと裏への飛び出しで、攻撃を活性化。84分にはMF中村陸の同点弾をアシストし、ドロー決着に導いた。
 
「(鹿島ユース戦は)僕にとっての開幕戦。FWである以上、絶対に点を取ってチームを勝たせたいと思っていました」
 
 スタメン出場を勝ち取った昨季王者の鹿島ユース戦。立ち上がりから中村は、気合いのみなぎったプレーを披露した。前線で何度も動き直し、相手の最終ラインをかく乱すると、チャンスはすぐにやってきた。
 
 16分、中央でボールを受けたMF落合陸が右サイドを駆け上がって来たDF坂本涼斗に展開をする。そのシーンを見ていた中村は、「涼斗くんとはいつもクロスを合わせる練習をしているし、自分のところに来ると思った」と動き出すと、ニアサイドに飛び込んで行く味方の姿が視野に入った。
 
「上手くニアに走っていて、それに釣られて相手も後ろにグッと引いたので、ニアで潰れてくれたら、僕がフリーでシュートを打てると思って、すぐに飛び込まずに一度タメてから飛び込みました」
 
 中村の目論見通り、坂本のマイナスの折り返しは、ニアを通過し、中央にぽっかり空いたスペースに飛び込んだ中村の下へ。中村の右足シュートがゴールに吸い込まれると、中村はベンチに向かって歓喜のダッシュ。
 
「起用してくれた監督や仲間にお世話になっているし、これから苦しい戦いが続くなかでひとつになって、みんなで乗り越えていきたかった。そのためには出ている選手だけではダメだし、全員がひとつになって戦うという思いを込めて、ゴールの後にベンチに走って行きました」
 
 その頭脳的なプレーと、情熱的な行動によってチームは波に乗った。そして1-0で迎えた55分、中村は自身の能力の高さを象徴するプレーで追加点を奪うのだ。
 
「後半、相手がかなり前に圧力をかけて来たので、絶対に裏のスペースができる。そこを一発で狙おうと思っていた」と、自陣にボールがある時にこそ、何度も前線で動き直しをして、チャンスを伺っていた中村に、最終ラインから一本のロングパスが届く。
 
 すでにトラップからシュートまでのイメージはでき上がっていたが、暴風雨の状況下で、ボールが若干手前に流された。その瞬間、「ちらっと後ろのDFを見たら、僕のほうが良い体勢だった」と判断。屈強なフィジカルを活かして、相手をブロックしながら一歩先んじると、正確な胸トラップからGKの頭上を射抜く鮮やかなループシュートを放った。
 
「間接視野でGKが前に出ていることを捉えたので、もうワンキープすると、GKが正しいポジションに戻ってしまうと感じたので、そのまま打ちました」
 
 ボールは綺麗な放物線を描いてゴールに吸い込まれた。
 

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