【FC東京】全北現代に言い訳無用の完敗。「個人では解決できる部分ではない」と東が語った“苦悩”とは?

2016年04月21日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

なによりの気掛かりは…。

この日は1本もシュートを打てなかった東。試合後には「力不足を痛感した」と反省していた。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 MFの田邉草民が「力負け」と話したように、FC東京は全北現代戦で見るも無残に敗れた。

 この日のACLデビューのGK圍謙太朗はほぼ無抵抗のまま3ゴールを許し、森重真人(出場停止)の代役だったCBの吉本一謙も全北現代のキム・ボギョンらに翻ろうされる。さらに、中盤のハ・デソンは軽率なパスミスを繰り返し、右サイドの水沼宏太も効果的な仕掛けを繰り出せない。
 
 攻守両面で明らかに精彩を欠いたFC東京は、内容、結果ともに完敗。これでJ1リーグの第1ステージ6節・柏戦から公式戦3連敗と厳しい状況に追い込まれている。なによりの気掛かりは、攻め込みながらも最終局面でなかなかフィニッシュに持ち込めない点だろう。
 
 全北現代戦で後半の頭から出場した阿部拓馬は苦悩を次のように述べた。
 
「攻撃の局面でもう少しやりたいことをはっきりできれば良かった。連係もあるかと思いますが、中にボールを入れるのか、外から崩すのか、それを統一できていればもう少し効率良く攻めることができたと思います。

相手のパワーに押された印象がありますよね。真っ向からぶつかってばかりではなくて、時にはいなすとか、そういうのがないと厳しいと感じました」
 
 MFの羽生直剛が打撲で途中交代するアクシデントがあったとはいえ、それでリズムが狂ったわけではない。阿部がそう話すように、攻撃の意図はあまり伝わってこなかった。どう崩し、どうゴールに結び付けるのか、そうした形がほとんど見えなかったのだ。
 
 バイタルエリアまではボールを持てても、そこから先は人もボールも進入させない。全北現代の割り切った守備にまんまとやられた印象だ。前田遼一と2トップを組みながらシュート0本に終わった東も、試合後には無念の表情を浮かべた。
 
「力不足だと思う。これが今の東京なのかなと。僕たちがボールを持つ時間が多いなかでチャンスを作れずに失点してしまい、相手がカウンターを仕掛けやすい状況になってしまった。そうなってもチームで崩すというのを積み上げていかないといけない。
 
チームとして(連係面で)合っていない時もある。今日は良い時間帯もあったけど、そこで良い形にならない。本当にチャンスになっていない。今日も決定機がいくつあったかと言われると、ひとつもなかったような気がします。チャンスが作れていてゴールを決められないとか、決定力不足とか、そういうのは個人の力で解決できる部分だと思いますけど、決定機を作れていないところにチームの課題があると思う」
 

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