「すごく財産になった」EL、UCLを経験したセルべッテ常本佳吾が語る“欧州カップ戦の影響力” 「ステップアップは常に意識している」【現地発コラム】

2024年04月28日 中野吉之伴

「来年もそこでやりたい」

チームの主力としてプレーしている常本。(C)Getty Images

 国内リーグとヨーロッパカップ戦はまったく違う大会だ。

 国内リーグでの調子がそのままヨーロッパでの戦いの物差しになるわけではないし、その逆もまたしかり。ドイツのブンデスリーガでいえば、リーグでバイエルンが昇格組のハイデンハイムに2-0とリードしながら2-3で逆転負けを喫したかと思ったら、その数日後に行われたプレミアリーグ首位のアーセナルとのチャンピオンズリーグ(CL)の試合では、終盤まで優勢的な試合運びで、アウェーで上々といえる2-2の引き分けに持ち込んだ。

 あるいはブンデスリーガで首位を独走し、見事クラブ史上120年で初となるリーグ優勝を果たしたレバークーゼンが、ヨーロッパリーグ(EL)で最終的に勝利したとはいえ、アゼルバイジャンのカラバクに大苦戦したり、プレミアリーグの雄リバープールが、ホームでのアタランタ戦で0-3と完敗したり。いろんなことが起こるのだ。

 CL、EL、そしてヨーロッパカンファレンスリーグ(UCL)と、欧州には3つのカップ戦がある。CLが世界最高峰のリーグとして全世界から最大限の評価を受けているのはだれもが認めるところだが、ELやUCLもそれぞれに刺激的で、いろんな経験ができる大会なのは間違いない。
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 スイスリーグのセルベッテFCでプレーする常本佳吾は、欧州カップ戦でプレーする価値について次のように語ってくれた。

「やっぱりヨーロッパリーグでいろんな国のチームと対戦して、いいチームと対戦できるのはすごく自分の財産になった。来年もそこでやりたいから、リーグ戦にかける思いも強いです。そこでヨーロッパリーグ、もちろんチャンピオンズリーグを目ざしてやっていきたいですね」

 CL出場を厳命とされるクラブにとってはELやUCLに物足りなさを感じたり、どこか100%の力で向き合いきれない雰囲気がでてきたりする。

 一方で、欧州カップ戦に出場すること自体がクラブにとっても、選手にとっても、指揮官にとっても、ファンにとっても極めて貴重な機会というクラブもたくさんある。そこにかける思いが違う。だから勝った時の喜びが大きな力をもたらすし、逆に負けたときの悔しさや失望が後を引いてしまうこともある。
 

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