【甲府】ラモス瑠偉に次ぐ、日本人2位の年長記録。35歳6か月でJ1初ゴールを挙げた津田琢磨の「真似できない」キャリアとは?

2016年04月12日 渡辺 功

大学時代は「監督不在で、練習後にクーラーボックスを開けると……」。

6節・湘南戦で貴重な先制点を挙げた津田(17番)。プロ14年目にして初のJ1でのゴールだった。((C)J.LEAGUE PHOTOS

「最初は左膝に当たって、そのあとはよく覚えていない。一度GKに撥ね返されたんですか? 気がついたら身体で押し込んでいた。でも、変に綺麗に決まるゴールよりも、ああいう得点のほうが自分らしかったんじゃないかと思いますよ。自分は"気持ちだけ"なんで」
 
 湘南戦の開始5分。ショートコーナーから逆サイドに来たボールを泥臭く押し込んだ先制点は、甲府のプロ14年目、35歳6か月となるDF津田琢磨にとってのJ1初ゴールだった。
 
 実は、この35歳6か月でのJ1初ゴール達成は、あのラモス瑠偉(岐阜監督)の36歳5か月に次ぐ、日本人2位となる年長記録。

 そのことを取材陣から告げられると「ジーコさんやラモスさんの名前が並んでいるような記録の間に入るなんて。あまりに申し訳ないんで。そこはそっとしておいてください」と恐縮しきりだったのだが、それも無理はないほど、きらびやかなスポットライトとは縁遠いキャリアを送ってきた。
 
 埼玉・花咲徳栄高から進学した、当時の帝京大のサッカー部は「監督不在で、練習後にクーラーボックスを開けると、缶ビールが冷やしてあった」ような状態。サッカーを辞めようと思ったこともあった。
 

次ページ「誰にでもできることを、誰にも真似のできないくらいにやる」。先輩後輩、国籍を問わず、多くのチームメイトの尊敬を集める存在。

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