【FC東京】元ACL得点王のムリキがJリーグデビュー。攻撃の新たなオプションとしてチームを活性化できるか?

2016年04月11日 小田智史(サッカーダイジェスト)

13年のACL得点王がJデビュー。「自分が思っていた以上に動けた」

Jデビュー戦は途中出場で20分弱のプレーだったが、一気にトップギアに入るスピードとドリブルのキレで存在感を示した。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 出場19分、ボールタッチ9回、攻撃ポゼッション6回、シュート1本――。FC東京の新助っ人ムリキのJリーグデビュー戦の数字である。2013年に中国の広州恒大でアジア王者に輝き、得点王とMVPをダブル受賞した肩書きから考えれば、少々物足りなさを覚えるのは否めない。それでも、柏にリーグ戦初勝利を献上してしまった一戦において、ムリキのプレーは間違いなくポジティブな雰囲気をもたらした。

【PHOTOハイライト】柏 1-0 FC東京

 特に目を引いたが、圧倒的なスピードとキレのあるドリブルだ。途中出場から6分後の77分、自陣からワンツーで抜け出すと、ハーフウェーラインからドリブルで単独突破を敢行。最終的に中央へカットインした際にボールを弾かれてシュートには至らなかったが、前を向いた時の迫力はそのワンプレーだけでも伝わってきたし、その後ムリキがボールを持つとなにかが起こりそうな期待感があった。
 
 チーム合流からわずか2週間ながら、城福監督が「短い時間でも結果を出せる。この武器を持たない手はない」とメンバー入りさせたのも頷ける。およそ2か月ぶりの実戦にムリキ自身もまずまずの手応えはあったようで、「短い時間だったけど、自分が思っていた以上に動けた。ある程度良いプレーはできたと思う」と振り返った。
 
 FC東京のチーム得点王はDFの森重で2得点。FW陣も前田、阿部、平山がそれぞれ1ゴールを挙げているとはいえ、現段階では「絶対的な得点源」と呼べる水準には至っていない。それだけに、点取り屋として鳴らすムリキに懸かる期待は大きいだろう。今後彼を最大限活かすために重要になってくるのは、「ボールを持たせる位置」と「コンビネーション」だ。
 

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