【U-18プレミア】開幕戦で逆転勝ちの東福岡。“過去の失敗”を教訓に強化を施した部分とは?

2016年04月11日 平野貴也

タレントが揃っていた2年前は魅力的な攻撃陣を擁していたが……。

開幕の神戸U-18戦の81分に勝ち越しゴールを挙げた藤川。昨季のインターハイ得点王が早くも得点能力の高さを見せつけた。写真:平野貴也

 昨季、インターハイと高校選手権の二冠王者となった東福岡が、新たなベースアップを目指している。爆発的な攻撃力だけでなく、安定感を身につけつつあるのだ。
 
 4月9日、高校年代の最高峰「高円宮杯U-18プレミアリーグ」が東西ともに開幕。東福岡は、ヴィッセル神戸U-18に3-1で逆転勝利を収めた。序盤はボールを支配する相手に振り回されて先制点を奪われたが、守備組織を立て直すと得意のサイド攻撃から得点を重ね、終盤で逆転に成功した。
 
 過去の失敗が、力になっている。森重潤也監督は「2年前のように、攻撃力があるから2点取られても3、4点と取り返せば良いというような考えではいけない。当時も守備を疎かにしたつもりはなかったけど、今になって思えば、昨季に比べると2年前の守備の意識は薄く、取り組み方も甘かったように思う」とリーグを戦うためのキーポイントに守備力を挙げた。
 
 2年前、東福岡はMF中島賢星(横浜FM)やMF増山朝陽(神戸)を軸に魅力的な攻撃陣を擁し、評判に違わぬ強さで夏のインターハイを制した。しかし、プレミアリーグWESTでは後期に大きく負け越して7位。冬の選手権でも3回戦で敗退。狙われる立場になってからは、強さを維持できなかった。
 
 その経験は、昨季に生きた。個の力で劣ると言われ、プレミア開幕戦でも6失点の大敗を喫し、守備力強化に注力した。結果は、全国二冠とプレミアWEST2位という驚異の成績だった。
 
 

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