宮間あやが語った女子サッカーの未来。五輪予選敗退の苦境に「なでしこリーグ」はどうあるべきか?

2016年04月11日 馬見新拓郎

16年目のシーズンを迎えた宮間は、なでしこリーグの現状をどう感じているのか。

リオ五輪最終予選から1か月。舞台を変えても宮間は依然、日本女子サッカー界をリードする立場だ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 3月末に開幕したプレナスなでしこリーグ1部は、3節までを消化した。現在首位に立つのは3連勝を達成したINAC神戸レオネッサだ。それを追うのが、昨季のリーグ覇者である日テレ・ベレーザ。大きなトピックスとしては、今季1部初参戦のAC長野パルセイロ・レディースが、得点ランキング首位の横山久美の活躍で、3位という好位置につけている。
 
 宮間あや率いる岡山湯郷 Belleは、開幕から1勝1分けで上々の滑り出しを見せたが、3節で対峙したベレーザに0-5というスコアで大敗した。特に前半、湯郷ベルはゴール前の守りを固めてベレーザの攻撃をうまく凌いだが、36分に失点すると、控え選手までの16人全員が代表招集経験(年代別を含む)を持つベレーザと、国際経験の少ない湯郷ベルの個人スキルの差を見せつけられた形となった。

【PHOTOハイライト|日テレ・ベレーザ 5-0 岡山湯郷Belle】前年王者ベレーザが湯郷Belleに大勝!

「今日は個の能力のところでやられた部分が多いから、逆にそこを抑えることができていたらと思うと、まだ改善の糸口はある」
 試合後の宮間は悔しさを滲ませながらも、意外にも晴れやかな表情で今季初黒星の試合を振り返った。
 
「大敗しているから、まずは攻守を立て直すことが急務。でも、負け惜しみかも知れないが、個の部分でやられたので、チームとしては大崩れしていない。これは必ず改善できること。これは止められないという失点ばかりではなかった」(宮間)
 
 湯郷ベルとしては、次節以降の伊賀フットボールクラブくノ一戦、浦和レッズレディース戦という順位が近いチームとの対戦で、いかに多くの勝点を手にできるかが、リーグ前半戦の鍵となりそうだ。
 
 リーグ登録16年目の宮間は、人生のほぼ半分をなでしこリーグでプレーしてきた。そのなかで女子サッカーの盛衰を経験し、現状のリーグにも感じるところがあるのだという。
 
「なでしこリーグは年々、1部リーグのチームカラーがそれぞれ強くなってきている。男子との比較ではなくて、そういう見方で見てもらえると、女子サッカーとして面白さがあるし、とても魅力的。今日対戦したベレーザは、全員の能力が高いチーム。(湯郷ベルとしては)相手のシュートをいいコースに飛ばさないようにするとか、ある意味では割り切って戦わないと仕方ない部分がある」

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