「入れて欲しかった」板倉滉が“好調”福田師王のベンチ外に語った思い。「結果を残しているわけだから」【現地発コラム】

2024年04月06日 中野吉之伴

シーズン6勝はリーグ内ワースト5位

後輩の福田について言及した板倉。(C)Getty Images

 ブンデスリーガの古豪が苦しんでいる。板倉滉と福田師王が所属するボルシアMGは今季27節終了時で13位。シーズン6勝はリーグ内ワースト5位の成績だ。リーグでは23節にホームでボーフムに5-2で勝利して以来、4試合勝ちがない。カップ戦では準々決勝で3部のザールブリュッケンに1-2で敗れている。

 勝てない時期にハマりこむと、選手は思うようにパフォーマンスを発揮できなくなる。それぞれの気持ちや思いが微妙にすれ違い、不用意なミスが連発する。ミスを取り返そうと焦れば焦るほど、そのずれがさらに大きくなり、迷子になってしまう。

 27節フライブルク戦の後半はまさにそうだった。ボールを奪えてもスピードアップできない。効果的な攻撃が見られない。業を煮やしたファンはGKへのバックパスに皮肉たっぷりの声援を送り出す。

 ジェラルド・セオアネ監督はアラサンヌ・プレアとトーマシュ・チバンチャラという2枚のアタッカーを60分過ぎに投入してどうにか勢いをもたらそうとするが、大きな変化は生まれないまま試合は終わった。

 試合後の記者会見で、怪我から復帰したばかりのプレアとチバンチャラを起用した理由を問われた指揮官は、「確かにコンディションはまだ本調子ではないかもしれないが、ここからシーズン最後に向けて彼らのパフォーマンスが必要だ」と口にしていた。早目に復帰をさせ、復調のきっかけを作ることも確かに必要だろう。
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 だが、チームがこういう状況だからこそ、若い力、がむしゃらな力というのが必要なのではないだろうか。不安を恐れず、チームに新鮮な風をもたらす選手が大切になるのではないだろうか。

 ボルシアMGにも、そのためのFWがいるはず。福田もその一人だ。ブンデスリーガで求められるクオリティは当然非常に高い。だが、24年1月から本格的にトップチームでトレーニングしている19歳は、日を重ねるごとにハイインテンシティでのプレーにも順応し、好アピールを繰り返している。

 代表週間に行われたベルギーリーグKASオイペンとのテストマッチでは、CFとしてスタメン出場し、前半に右サイドのフランク・オノラからのクロスを高い打点のヘディングシュートでゴールをマークすると、後半に入ってすぐ、相手GKのミスを逃さずに2点目を決めている。

 ニルス・シュマッケSDも「シオウはここ最近常にいいプレーを見せてくれている」とその成長ぶりに目を細めている。
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