レスターのような「奇跡の戴冠劇」は過去にもあった! 欧州サッカー史に名を刻んだ3つのミラクル・クラブ

2016年04月05日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

宿敵とのマッチレースを制し“最後の王者”に。

ストラカン、カントナ、チャップマンなど各ポジションに名手を揃えたリーズは、宿敵マンチェスター・Uとのデッドレースを制して、1973-74シーズン以来の戴冠を達成した。 (C) Getty Images

Part1:リーズ
1991-92シーズン/イングランド・ファーストディビジョン優勝
 
 転機となったのが、堅実なチーム強化に定評があるハワード・ウィルキンソンの監督就任だ。
 
 1988-89シーズンの途中に古豪の立て直しを託された指揮官は、酸いも甘いも知るゴードン・ストラカンやリー・チャップマンらベテランと、伸び盛りのデイビッド・バッティやガリー・スピードら若手を高次元に融合させ、攻守両面でソツのない精鋭軍団を作り上げた。
 
 政権2年目の1989-90シーズンに2部優勝を果たすと、翌シーズンは9年ぶりの1部でいきなり4位に食い込んだ。そして迎えた1991-92シーズン、クラブ首脳部はロッド・ウォレス、トニー・ドリゴ、スティーブ・ホッジなど代表クラスを大量補強し、冬にはフランスで燻っていたエリック・カントナの釣り上げにも成功。開幕から5勝5分けと、ロケットスタートを切った。
 
 ガリー・マカリスター、バッティ、ストラカン、スピードの4人が陣取る中盤が常に主導権を握り、エースのチャップマンが敵ゴール前で無類の勝負強さを発揮。カントナがセカンドトップに入った後半戦はさらに攻撃の破壊力が増し、並み居る強豪を次々と撃破した。
 
 ホームでは13勝8分けと無敗を記録。積年の宿敵マンチェスター・Uとの熾烈なマッチレースを4ポイント差で辛くも制し、昇格2年目でのミラクルを達成した。翌シーズンにプレミアリーグが発足。伝統の"ファーストディビジョン"最後の王者となり、世界を驚かせた。
 
◎戴冠までの軌跡
1987-88/2部:7位
1988-89/2部:10位
1989-90/2部:1位
1990-91/1部:4位
1991-92/1部:優勝

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