【岩本輝雄】北朝鮮はグッドチーム。縦に速く力強い攻撃。森保ジャパンをおおいに苦しめたね。今後はさらに脅威の存在になるかも

2024年03月21日 岩本輝雄

まさに“戦う”という感じ。面白い試合だった

日本に敗れたけど、北朝鮮のタフな戦いぶりは強く印象に残った。写真:サッカーダイジェスト/JMPA代表撮影

[W杯予選]日本 1-0 北朝鮮/3月21日/国立競技場

 最後まで1点を守り抜いたね。ワールドカップ予選の北朝鮮戦で、日本は開始2分に田中碧のゴールで先制。その後、チャンスがありながらも決め切れず。追加点は取れなかったけど、しっかりと勝ち切れたのは良かった。

 日本の勝負強さは素晴らしかったと思う一方で、北朝鮮の奮闘の方が強く印象に残っている。早々にリードを奪われたけど、時間の経過とともに攻勢を強めて、日本をおおいに苦しめた。決定機もあったし、それが決まっていれば、結果は違っていたかもしれない。

 縦に速い攻撃には力強さがあった。局面でも身体を張って守る。多少、ラフなプレーが目についたとはいえ、それを差し引いても、北朝鮮は良いチームだなと思った。応援も迫力があったよね。

 北朝鮮のタフでアグレッシブなプレーに対し、日本も簡単には負けない。球際でバチバチとやり合う。お互いに強度が高くて、まさに"戦う"という感じ。シンプルに試合として面白かった。
【動画】岩本輝雄がトッティとサッカー対決!
 正直、北朝鮮がここまで手強いチームだとは思わなかった。もっといろんな面で洗練されてくれば、日本にとってかなり脅威になるんじゃないかな。

 日本は無失点に抑えたとはいえ、相手のロングボールを嫌がるシーンも散見された。この前のアジアカップで露呈した課題を、また突きつけられたような気もする。アジアの戦いでは、この点をもっと改善していかないと、また難しい戦いを余儀なくされると思う。

 いかに跳ね返すか。あるいはロングボールを蹴らせないようにするか。今回の北朝鮮戦もしっかりとフィードバックして、アジアの舞台では無類の強さを見せられるようになってほしい。

【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、51歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた"40メートルFK弾"は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。

【記事】「怒りで主審を取り囲んだ!」森保ジャパンを追い詰めた北朝鮮代表の健闘を韓国メディアが評価!「2次予選にVARはない」
 

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