【ポルトガル代表】C・ロナウドを「9番」に置く4-4-2が的中。EUROでも採用か?

2016年04月01日 ヌーノ・ルス

F・サントス監督の意図は招集メンバーからも明らかだった。

ブルガリア戦で2トップの一角に入ったC・ロナウド。ゴールこそ奪えなかったが、相棒ナニとの連携で多くのチャンスを創出した。(C)Getty Images。

 ポルトガル代表のフェルナンド・サントス監督は、EURO2016のメンバーを決める最終選考会だった3月の2試合(25日のブルガリア戦、29日のベルギー戦)で、ある形を試そうとしていた。
 
 4−4−2システムの導入(予選の基本形は4-3-3)と、クリスチアーノ・ロナウドの「9番」起用である。
 
 C・ロナウドをフィニッシュに専念させる――。それこそが、この2つにおけるF・サントスの最大の狙いだ。指揮官は「C・ロナウドの9番起用」と「2トップ採用」が、現在のポルトガルにとって最善策であることをこの2試合を通じて証明しようと考えていた。
 
 そのことは、招集メンバーからも如実に読み取れた。今回の呼ばれた中で純粋なCFは、エデルただひとりだったのだ。C・ロナウドやナニなど本来ウイングの選手を、最前線で起用しようという意図は明らかだった。
 
 そして、ブルガリア戦は予定通り4-4-2を採用。GKはアントニー・ロペス、最終ラインは右からヴィエイリーニャ、ペペ、ブルーノ・アウベス、エリゼウ、中盤は右からジョアン・マリオ、アドリエン・シウバ、ウィリアム・カルバリョ、ラファ、そして最前線にはC・ロナウドとナニが入った。
 
 しかし、0-1の敗戦と結果はついてこなかった。皮肉にもC・ロナウドが二桁以上はあった好機をモノにできず、さらには珍しくPKまで外した。
 
 とはいえ、元々はウイングであるC・ロナウドとナニを2トップに置く布陣は、チャンスメイクにおいてしっかり機能。2人はコンビネーションでフィニッシュの局面を何度も作り出し、相手GKヴァラディスラフ・ストヤノフのスーパーセーブ連発さえなければ、何点か奪えていただろう。
 
 C・ロナウドは慣れ親しんだ4−3−3を好んでいるようだが、4−4−2でも結果は別として素晴らしいパフォーマンスを見せた。少なくとも、4−4−2でも試合途中から使った4−3−3でも、チャンスの大半には彼が絡んでいたのだ。ポルトガル代表における重要性を改めて示していた。
 
 だからこそ、F・サントス監督は「クリスチアーノは毎年40、50点決めているんだ。今日はダメだったが、ユーロに向けてゴールを取っておいたんだよ。チャンスがなければ少し不安に思っただろうが、我々は何度もチャンスを作った」とエースを庇ったのだ。そう、指揮官はこのブルガリア戦で2つのテストに大きな手応えを感じていた。
 

次ページEUROにおける最終形がおぼろげながら見えてきた。

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