【大岩ジャパンの最新序列】荒木の起用法は? 国内組中心の編成で気になる3つのポイント

2024年03月16日 松尾祐希

GKの定位置争いは横一線

マリ、ウクライナとの2連戦に臨む大岩ジャパンの最新序列。(C)SOCCER DIGEST

 パリ五輪のアジア最終予選を兼ねたU-23アジアカップまで、残り1か月。大会前最後の活動に挑むU-23日本代表のメンバーが発表された。

 3月22日のマリ戦(サンガスタジアム by KYOCERA)、同25日のウクライナ戦(北九州スタジアム)に向けて招集されたのは、昨年最後の活動となった11月のアルゼンチン戦同様に26名だ。

 今回のメンバーを見ると、目につくのが海外組の少なさだろう。U-23アジア杯はインターナショナルマッチウィーク外に開催されるため、所属クラブの活動を優先しなければならない。そのため、早くから日本サッカー協会側は欧州でプレーする選手たちや所属クラブと対話を続けてきたが、現状では5名の選手を招集するに留めている。

 大岩剛監督も「(招集に)NGというクラブもありますし、『その時のチームの状況やタイミングにもよる』と言っているチームもある」とし、セレクターとしての難しさを口にした。ただ、こうした状況は早くから分かっていたこと。現在も海外クラブとの交渉は続いているが、そうした状況だからこそ国内組の奮起が求められる。

 ポジションごとに現状の序列を整理すると、気になる点は3つある。1つ目がGKだ。今回もA代表に招集された鈴木彩艶(シント=トロイデン)がメンバー外のため、現状では、先のアジアカップでA代表入りを果たした野澤大志ブランドン(FC東京)が最も正守護神の座に近い。

 しかし、今季は怪我の影響もあってクラブで苦しんでおり、3節が終わった時点で出場機会は"0"。そうした状況を踏まえると、定位置争いは横一線となる。

 昨年9月のU-23アジア杯予選以来の招集となった小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)や、同10月のアジア競技大会で評価を高め、昨年11月のアルゼンチン戦で先発出場を果たした藤田和輝(千葉)にもチャンスがある。
 
 2つ目はCB。「センターバックというポジションを取ってみれば、(周囲から)言われる通りで、ずっと選手が活躍できていない」と指揮官が不安を口にしたように、立ち上げ当初から軸を確立できていない。

 西尾隆矢(C大阪)、鈴木海音(磐田)、木村誠二(鳥栖)が中心となってポジションを競ってきた一方で、所属クラブでは継続して試合に出られていなかった。今年に入って西尾が2節から出場機会を得ているが、鈴木海は一度もJ1のピッチに立っておらず、木村はベンチ外が続く。

 新たな選手の台頭が待たれるが、アルゼンチン戦で招集した山﨑大地(広島)も先週のトレーニング中に右膝を痛め、右膝前十字靭帯再建術、内外側半月板縫合術を受けて全治9か月から10か月の診断を受けた。期待されたチェイス・アンリ(シュツットガルト)は今回も招集外となっており、不安は尽きない。

 そこで期待されるのが、馬場晴也(札幌)と高井幸大(川崎)だ。馬場は今季の開幕からレギュラーとして活躍。フルメンバーが揃う大岩ジャパンでは、実に一昨年11月のスペイン・ポルトガル遠征以来の招集となるが、対人プレーの強さや足もとの技術を武器にポジションを掴めるか注目だ。

 プロ2年目を迎えた高井は、開幕からの2試合で先発出場。192センチのサイズを活かしたプレーとビルドアップは日増しに精度が高まっている。昨年はU-20ワールドカップやU-23アジア杯予選にも出場するなど、国際舞台での経験値もプラスの材料。CB問題を解決するようなパフォーマンスに期待が懸かる。

【PHOTO】マリ&ウクライナとの国際親善試合に挑むU-23日本代表招集メンバーを一挙紹介!

次ページ攻撃で主役を担う力は十分にある

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事