「この出場時間で決定的な役割をするのは難しい」鎌田大地がCL敗退後に語った本音。ラツィオの現状には「僕だけじゃなくてチームも...」【現地発コラム】

2024年03月11日 中野吉之伴

「先に失点してしまうと、かなりきつい」

出番をもらえても数分間という状態が続いている鎌田。(C)Getty Images

 バイエルンとのチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16・ファーストレグを1-0で勝利していたラツィオはアウェーでのセカンドレグで、前半に2失点。後半も反撃の糸口を見つけることができないまま、最終的に0-3で完敗した。

 試合後の記者会見でマウリツィオ・サッリ監督が「前半はいいプレーができた。前半終了間際に2失点目を喫したのは残念。希望が小さくなってしまった」と振り返るように、前半は確かにボールを自分たちでキープしながら運ぶシーンもあった。

 ただ「多くはなかったが、チャンスもあった。状況をうまく作れていた。ただシュートに持ち込めなかった」と指揮官が認めるように、最後のところで変化がないままの展開だったのは否めない。

 バイエルンのトーマス・トゥヘル監督はイタリア人記者にこんな質問をされていた。

「前半はラツィオにもチャンスはあったが、後半はノーチャンスだった。ラツィオをどのようにみて、チームにはどうプレーさせようとしていたのか?」
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トゥヘルはこう答えている。

「ラツィオはいい守備組織といいコンビネーションで攻撃するチームだ。サッリのチームは細かい距離と壁選手を使ってボールを進めるのが特徴。選手が短い距離でポジションを取り、当てて落としてそこからさらに縦へ、をダイレクトパスで行なってくる。守る側からすると連続でボールが動いて戻って動いてに対応するのはとても難しい。そこを考慮したうえで戦うことができた。大事なのはオープンな展開からシュートチャンスを許さないこと。それができていた」

 守りにくい前進を全て止めることはできなくても、守備組織を整えて対峙することで、シュートにまで持ち込ませなければ大けがをすることはない。そんなゲームプランを持っていたことから考えると、ラツィオが「シュートに持ち込めなかった」前半の戦いはむしろバイエルンにとってイメージの範疇ということになる。

 80分から途中出場したラツィオのMF鎌田大地もその点を指摘していた。

「うちのスタイルはああやってパス出して戻して、パス出して戻してっていうのがある。バイエルンみたいに自分たちのダイナミックさがあるわけじゃない。このやり方は、先に失点してしまうと、やっぱり、かなりきついかなっていう感じはありますね」
 

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