【日本代表】“2戦2発”の頼れる男・金崎。「頑張ります」と一言だけ残し、すでに戦闘モードに

2016年03月29日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

3歩のバックステップでマークを外し、パスコースを確保。

ピッチに立てば必ず結果を出す金崎。ハリルジャパンでもその存在感はさらに増してきている。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 アフガニスタン、シリアと対戦する今回の3月シリーズに入る直前のリーグ戦(4節・FC東京戦)で、金崎夢生は2ゴールを挙げてチームに勝点3をもたらす活躍を見せていた。
 
 試合後、鹿島の石井正忠監督は勝利の立役者について次のように評価していた。
 
「攻守にわたってアグレッシブなところが良さだと思う。攻撃に関しては、動き出しが非常に良い。自分のところで一度ボールを収めて、ゴール前に入っていく迫力もある」
 
 クラブでの好調ぶりは、代表の舞台でも変わらない。岡崎慎司と2トップを組んで先発した3月24日のアフガニスタン戦では、1得点・1アシストと結果を出してみせた。
 
「金崎はよく闘っているし、それから存在感がある。本当によくボールを呼び込む、そういった動きをしてくれる。(金崎が決めたチーム5点目は)アカデミックなゴールではなかったかもしれないが、点を取った。それは嬉しい」(ハリルホジッチ監督)
 
 アフガニスタン戦では両チーム通じて最多の9本のシュートを放つなど、79分に途中交代するまで貪欲な姿勢を貫き通した。誰よりもゴールへの意欲を燃やしていたのは金崎であり、だからこそ、勝負が決した後のチーム5点目だったとしても、まるで逆転弾を決めたかのような喜びを表現したのだろう。
 
 ハーフナー・マイクの落としを泥臭くねじ込んだ78分のゴールのほか、58分には長谷部誠からのパスをダイレクトで叩いて、正確な浮き球パスで清武弘嗣の得点をお膳立てしている。
 
 この場面では、金崎の絶妙なポジショニングが光った。センターサークル付近で長谷部が後方からのパスを受けてから前を向くまでの間、ペナルティアークの近くにいた金崎は3歩、バックステップを踏む。ほんのわずかな移動だったが、確実に相手DFのマークを外し、長谷部からのパスコースを作り出してみせた。
 

次ページ高い適応力を示し、戦術の幅を広げる存在。

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