人気解説者の林陵平がラ・リーガ歴代最強イレブンを選抜!「ボールキープで彼の右に出る者はいない」と評したのは?

2024年02月29日 尾池史也(ワールドサッカーダイジェスト)

甲乙つけがたい守護神は、純粋なセービング力を重視

対人能力の高さを重視し、林氏はCBの一角にアジャラを指名した。プジョールとのコンビなら、1対1ではまず負けないだろうと豪語する。(C)Getty Images

 サッカー解説者として引っ張りだこの林陵平氏が、連携や補完性、攻守のバランスなどを重視したうえで、ラ・リーガの歴代最強イレブンをセレクト。攻守のメカニズムや戦術上のキーマン、得点源に加え、とっておきの切り札まで、「最強」の担い手を選抜する。

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 今回考えたのは、「ラ・リーガの歴代最強イレブン」です。ただポジションごとの第一人者を並べるのではなく、チームとしての機能性や、攻守のバランスなどを意識したうえでの最強チームを選抜しました。先に11人の人選から発表しましょう。

 システムは4-2-3-1です。ゴールキーパーがティボー・クルトワ、センターバックはロベルト・アジャラとカルレス・プジョールのコンビで、サイドバックは右にセルヒオ・ラモス、左にロベカル(ロベルト・カルロス)です。カゼミーロとジュード・ベリンガムのダブルボランチに、トップ下がジネディーヌ・ジダン。右ウイングがリオネル・メッシで、左がアントワーヌ・グリーズマン、センターフォワードはカリム・ベンゼマです。

 ではポジション順に語っていきましょう。まずゴールキーパーですが、一番悩みました(笑)。クルトワ、イケル・カシージャス、ヤン・オブラクの三者択一ですね。個人的に銀河系時代のマドリーが大好きで、カシージャスには強い思い入れがあります。ただ、ゴールキーパーとしての純粋なシュートストップ能力では、クルトワに分がある気がしますね。その点オブラクも甲乙つけがたいんですけど、チャンピオンズリーグで優勝しているという実績を踏まえると、チームを勝たせられるのはクルトワでしょう。
 

 ラモスをセンターバックではなく右サイドバックに置いたのは、メッシとの縦関係を考慮したから。メッシは守備の貢献度が高くないので、その負担をカバーするには身体能力の高いラモスがベストだと思いますね。それにラモスはオーバーラップも得意です。メッシがタメを作って、空いたスペースにラモスが走り込むというパターンも見られるかもしれません。
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 センターバックの人選で重視したのは、対人能力の高さ。アジャラは我ながら渋いチョイスなんじゃないですかね。特筆すべきは空中戦の強さです。身長は178cmと決して高くないんですが、驚異的なジャンプ力を持っているんですよね。そのうえスピードもあるので、相手に振り切られることもありません。プジョールの闘争心は凄まじく、まさに背中で語るファイターでした。

 このふたりなら、1対1はまず負けないでしょう。現代サッカーでは、センターバックにもビルドアップのスキルが求められますが、このチームには必要ありません。メッシ、ベンゼマ、グリーズマン、ジダン、ベリンガムがいれば、どんな形でもボールを預けさえすればゴールを奪ってくれますからね。

 中盤は可変システムを想定していて、攻撃時にはカゼミーロがアンカー、ベリンガムはインサイドハーフとして前線に飛び出していくイメージです。セルヒオ・ブスケッツも考えたんですが、カゼミーロのフィルター役としての価値を重視しました。今シーズンのプレミアリーグでは怪我もあって調子を落としていますが、マドリーで見せた活躍はアンタッチャブルそのもの。危機察知能力が桁違いで、たったひとりでピッチ全体をカバーしていたと言っても過言ではありません。

 

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