ジーコは守備のことばかり言ってきた
アジア杯の全5試合でクリーンシートはなし。失点の多いチームは、目の前の試合に勝つことすら難しくなる。写真:サッカーダイジェスト(現地特派)
5試合で8失点――。これが、アジアカップで日本が敗れた理由のすべてだ。
日本は準々決勝のイラン戦で逆転負けを喫した。前半に守田英正のゴールで先制したものの、後半にイランのパワープレーに屈する形で2失点し、ベスト8で大会を終えた。
ロングボール対策の課題、セットプレーの準備、GK鈴木彩艶の不安定なプレー、板倉滉のコンディション不良など、イラン戦は日本の弱点がすべて露呈した試合となった。
とりわけ後半、イランのハードワークに苦しみ、競り合いにも負け続けた。終了間際に与えたPKを鈴木がストップしていたら、息を吹き返していたかもしれない。ただ、あの時点で、あれだけイランのパンチを喰らっていたら、もはやノックアウト状態だ。
町田浩樹や谷口彰悟を入れて5バックにしたところで、その後のイランのパワープレーを跳ね返す余力はもはや残っていなかっただろう。
日本はイランやイラクのように撃ち合いに持ち込んでくるチームに弱い。言い換えれば、ファイティングスピリットを前面に押し出してくるチームに対する「耐性=タフさ」が足りない。スカウティング的には、今後に日本と対戦するチームに、「地上戦を避けて空中戦に持ち込めばいい」というお手本を見せてしまった。
リードを守り切れなかったイラン戦の後半しかり。アジアレベルでこれほど失点するようでは、ワールドカップ優勝は夢物語だ。失点の多いチームは、優勝はもちろん、目の前の試合に勝つことすら難しくなる。
日本は準々決勝のイラン戦で逆転負けを喫した。前半に守田英正のゴールで先制したものの、後半にイランのパワープレーに屈する形で2失点し、ベスト8で大会を終えた。
ロングボール対策の課題、セットプレーの準備、GK鈴木彩艶の不安定なプレー、板倉滉のコンディション不良など、イラン戦は日本の弱点がすべて露呈した試合となった。
とりわけ後半、イランのハードワークに苦しみ、競り合いにも負け続けた。終了間際に与えたPKを鈴木がストップしていたら、息を吹き返していたかもしれない。ただ、あの時点で、あれだけイランのパンチを喰らっていたら、もはやノックアウト状態だ。
町田浩樹や谷口彰悟を入れて5バックにしたところで、その後のイランのパワープレーを跳ね返す余力はもはや残っていなかっただろう。
日本はイランやイラクのように撃ち合いに持ち込んでくるチームに弱い。言い換えれば、ファイティングスピリットを前面に押し出してくるチームに対する「耐性=タフさ」が足りない。スカウティング的には、今後に日本と対戦するチームに、「地上戦を避けて空中戦に持ち込めばいい」というお手本を見せてしまった。
リードを守り切れなかったイラン戦の後半しかり。アジアレベルでこれほど失点するようでは、ワールドカップ優勝は夢物語だ。失点の多いチームは、優勝はもちろん、目の前の試合に勝つことすら難しくなる。
守備の重要性はいつの時代でも同じだ。私が現役時代、鹿島アントラーズでジーコから言われたことも、まさにそれだ。
「ボールを奪われたら早く守備をするんだ!」
「全員がもっと守備の意識を持たないとダメだ!」
日々のトレーニングはもちろん、試合前のミーティングでもピッチの上でも、とにかくジーコは守備のことばかり言ってきた。
ジーコといえば、かつてブラジルの10番を背負ったスーパースターだ。華麗なスルーパスやテクニックでファンを魅了するイメージが強かっただけに、守備のことを言われた時はとても驚きだった。ただ、守備意識がチームに浸透したことで勝てるようになって、いつしか鹿島は常勝軍団と呼ばれるようになった。
話をアジアカップに戻すと、8強敗退の日本は5試合で12得点をマークした。得点数で言えば、ベスト8のチームの中で最も高い得点数を叩き出している。2位は11得点の韓国、3位は10得点のイラン、ヨルダンと続いている。
しかし失点数は先述のとおり、毎試合失点を重ね、5試合で8失点だ。この数字はベスト8のチームの中で、韓国と並んでワーストだ。アジアカップの日本は、得点も多いが失点も多かった。
日本は、イランやカタールのように撃ち合いに持ち込むサッカーを目ざしているわけではない。それで勝ち切れるほどのタフさもない。ならば、失点を減らすことが今後の課題だ。
【PHOTO】アジアカップ2023を彩る各国美女サポーターを特集!
「ボールを奪われたら早く守備をするんだ!」
「全員がもっと守備の意識を持たないとダメだ!」
日々のトレーニングはもちろん、試合前のミーティングでもピッチの上でも、とにかくジーコは守備のことばかり言ってきた。
ジーコといえば、かつてブラジルの10番を背負ったスーパースターだ。華麗なスルーパスやテクニックでファンを魅了するイメージが強かっただけに、守備のことを言われた時はとても驚きだった。ただ、守備意識がチームに浸透したことで勝てるようになって、いつしか鹿島は常勝軍団と呼ばれるようになった。
話をアジアカップに戻すと、8強敗退の日本は5試合で12得点をマークした。得点数で言えば、ベスト8のチームの中で最も高い得点数を叩き出している。2位は11得点の韓国、3位は10得点のイラン、ヨルダンと続いている。
しかし失点数は先述のとおり、毎試合失点を重ね、5試合で8失点だ。この数字はベスト8のチームの中で、韓国と並んでワーストだ。アジアカップの日本は、得点も多いが失点も多かった。
日本は、イランやカタールのように撃ち合いに持ち込むサッカーを目ざしているわけではない。それで勝ち切れるほどのタフさもない。ならば、失点を減らすことが今後の課題だ。
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