「じゃあ、俺はそれ以下なのか...」元鳥栖FW二田理央、オーストリア2部での苦悩を吐露「うまくいかないことが多い」【現地発コラム】

2024年02月09日 中野吉之伴

「悪くない感触でプレーできていた」

出場時間に恵まれない現状について語った二田。写真:中野吉之伴

 パリ五輪日本代表候補の一人として注目されている元サガン鳥栖の二田理央は、所属クラブのザンクトペルテンでどんなシーズンを送っているのだろうか。

 21-22シーズンにレンタル移籍で加入したオーストリアのFCヴァッカー・インスブルックではセカンドチーム(U-23)でじっくりと順応し、3部で得点王(21ゴール)に。その活躍を認められ、翌シーズンには2部のザンクト・ペルテンへレンタル移籍。肩の負傷による手術でしばらく離脱していた期間があったが、23年4月中旬から無事に復帰。7月にはサガン鳥栖からの完全移籍が発表されるなど、さらなる飛躍が期待される欧州3シーズン目になると思われていた。

 第1節シュトゥルム・グラーツセカンドチーム相手に開始2分にゴールを奪うなど、好スタートを切った二田。ただシーズンが進むにつれ、出場機会が減ってきている。ここまでスタメン出場は4試合。得点もその後生はまれていない。

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 取材に訪れた15節のホルン戦では1点を追う試合展開ながら、最後まで声がかからなかった。スタメンを外れながらも常に途中出場はしていただけに、出場なしで終わったことは少なくはないショックだってあったことだろう。それでも試合後のミックスゾーンで二田は丁寧に現状を振り返りながら、今自分がやるべきことについて語ってくれた。

「途中起用された選手たちが監督に、『戦術あんまり理解できてない』みたいな感じで言われていて。でも、僕は今日試合にも出れていないので『じゃあ、俺はそれ以下なのか...』って。もっと日頃からやらないといけないなって思いました」

 とはいえ、シーズンを通してずっとうまくいっていなかったわけではないはず。開幕戦でスタメン起用されたことはクラブからの期待の表れを感じさせる。実際その試合でチームシーズン初ゴールをマークし、「悪くない感触でプレーできていた」と振り返る。

「最初の時期はうまくいってた部分もありました。スタメンで何試合か出ていたころは、ポジションがトップ下で、あんまり慣れてない位置だったんですけど、得意な相手の背後に抜けるアクションや、自分でボールを持って突破ができていたんです。ただ...」
 

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