「最終兵器」を披露できずに終戦した森保ジャパン。対戦国が震撼するはずだった“同時起用”は実現しなかった【担当記者コラム】

2024年02月09日 江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

イラン戦を前に伊東が離脱

ラウンド16から復帰した三笘(左)は久保とも伊東ともプレーせずに終わった。 写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 3大会ぶりの優勝を目標にアジアカップに挑んだ日本代表は準々決勝でイランに1-2で敗北。ベスト8でまさかの敗退となった。

 今大会に限らず、第二次森保ジャパンで期待され続けてきたのが、右から伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)、久保建英(レアル・ソシエダ)、三笘薫(ブライトン)が並ぶ2列目だった。

 クラブではいずれも崩しの切り札的存在で、個で打開もきるし、周囲も使える。同時起用されてマークが分散すれば、チャンスはいくらでも作り出せそうな期待感がある。

 ただ、二次政権下では久保と伊東が右サイドで代わる代わる先発するケースが少なくなく、三笘はコンディション不良や怪我のために、昨年10月と11月の代表活動に参加せず。このトリオが同時にピッチに立つ機会はなかなか訪れなかった。

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 12月に左足首を負傷した三笘は、アジアカップの招集が危ぶまれたものの、無事に選出。ただ、グループステージでの出場は難しいと予想していたため、この強力アタッカートリオは決勝トーナメントでのいわば"最終兵器"になるのではないかと考えていた。

 その三笘はカタールで慎重に調整を続け、ようやくラウンド16のバーレーン戦から出場できる状態となった。だが、周知の通り、その試合で出番がなかった伊東はイラン戦を前に離脱。その破壊力に対戦国が震撼するだろうはずだった3人の共演は、ついに見られなかった。

 堂安律が1ゴール・1アシスト、南野拓実が2ゴール・1アシスト、中村敬斗が1ゴールと、その他の選手が奮闘を見せたのは事実だ。ただ、このトリオが1分も同時起用できずに終わったのは、残念でならない。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

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