【C大阪】“柿谷復帰効果”だけではない。開幕3連勝でJ2首位に立つ好調の要因は――

2016年03月17日 前田敏勝

この開幕ダッシュは、『柿谷復帰効果』というよりも…。

2試合連続決勝ゴールでチームを牽引する柿谷(8番)は、守備でも献身的に汗をかいている。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 2013年以来の開幕3連勝を飾り、J1昇格に向けて好発進したC大阪。昨シーズンは一度もなかった首位にも、熊本と並んでという形とはいえ、立つことができた。
 
 そのなかで、約1年半ぶりに復帰し、今季は主将も務める柿谷曜一朗が2試合連続決勝ゴール。3節・群馬戦では驚愕の左足ヒールシュートも決めてチームを勝利に導くなど、帰ってきた「背番号8」の存在の大きさを痛感させられる。
 
 それだけでなく、前線からの守備も献身的に行なうなど、貢献度の高い柿谷がどうしても注目されがちだが、この開幕ダッシュは、『柿谷復帰効果』というより、J1昇格プレーオフ決勝をはじめとする昨シーズンの反省を活かして、今季、大熊清監督のもとで徹底するチームで攻守に「力を出し切る」姿勢が、ピッチで表現できていると言っていいだろう。
 
 顕著なのは、守備面だ。1節・町田戦こそ、バタつく場面も散見されたが、GKキム・ジンヒョンの好守や、守備陣の最後まで身体を張ったプレーでしのいで勝ち切ると、試合ごとに守備の安定感が向上。
 
「誰ひとり『これくらいでいいだろう』という甘えがなく、(柿谷)曜一朗や(杉本)健勇はもちろん、外国籍選手もハードワークするように、みんなが守備意識を強く持っている」(中澤聡太)
 
「前の選手たちが頑張って追ってくれたので、引くシーンはあっても、ある程度ラインはコンパクトにして、みんながみんなをカバーしあう距離感ができていた」(茂庭照幸)
 
 と、昨シーズンの苦しみを知る経験豊富なCB陣が口を揃えるような、全体での守備意識の高さやハードワーク、一体感があることで、昨シーズンによく見られた試合終盤での失速や失点で勝点を落とす事態を防ぎ、3戦連続完封勝利につなげている。
 

次ページキーワードは『攻守の一体化』。チームコンセプトの徹底がJ1昇格につながる。

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