バーレーン戦のトップ下は南野? ただし1つ懸念材料も。試合勘が戻ってきた久保の先発起用で、決定的な仕事に絡めれば理想的【アジア杯】

2024年01月29日 元川悦子

早い時間帯に先制点を奪ったチームが有利

コンディションも上がってきたという久保。得点への意欲も示す。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 現地1月28日にアジアカップのラウンド16が行なわれ、オ―ストラリアとUAEの準々決勝進出が決まった。日本のバーレーン戦は31日。ここから本格的な戦術確認をして、大一番に挑むことになる。

 FIFAランキングを見ると、日本の14位に対し、バーレーンは86位。選手個々の所属先も圧倒的に日本の方が格上で、普通に考えれば負けるはずのない相手だが、アジアの大会では何が起きるか分からない。それはすでにグループステージでも痛感したことだ。

 しかも、バーレーンには要注意の長身FWアブドゥラ・ユセフがいる。彼をフリーにしたら痛い目に遭う可能性が大。それ以外にもスピードのあるウイングがいるだけに、不用意なミスは許されない。

 やはり決勝トーナメントは早い時間帯に先制点を奪ったチームが有利。オーストラリア対インドネシア戦も開始12分に生まれたオウンゴールによる1点目が非常に大きかった。

 日本もいち早くバーレーンの戦意を喪失させるような一撃を加えたいところ。森保一監督がどういった攻撃陣の組み合わせで挑むのか。そこが次戦の大きな注目点と言っていい。

 中2日で準々決勝、その相手が最強のライバル・イランになりそうな状況を踏まえると、バーレーン戦は直近のインドネシア戦でスタメン出場した堂安律(フライブルク)、中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)らをベースにするのが最善策かもしればない。

 そのうえで、イラン戦で伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)と三笘薫(ブライトン)という両翼をぶつけられればベストという見方も出ている。
 
 そこで気になるのが、トップ下の人選だ。インドネシア戦のままなら久保建英(レアル・ソシエダ)ということになるが、ご存じの通り、久保は今大会まだ無得点。2019年6月のエルサルバドル戦で初キャップを飾ってから、すでに32試合に出場しているが、通算ゴール数は3にとどまっている。

「(グループステージは)ゴールが足りなかったので、しっかりゴールを取っていきたいなと。最初は10分くらいで、次が60(分)、次が80(分)で、結構、試合勘が戻ってきていますし、良い感じでコンディションを上げられたかなと思います」と、本人も得点への貪欲さをより前面に押し出していく構えだ。

 だが、よりダイレクトにゴールを期待するなら、南野拓実(モナコ)をスタートから出した方がベターという考え方もあるだろう。

 ベトナム戦で2ゴール・1アシストと圧巻のパフォーマンスを見せた南野は、目下、個人で勝負を決定づけられる数少ない存在だ。それだけ調子が良いし、得点の匂いも大いに感じさせている。

 2019年の前回UAE大会の時はゴール欠乏症にあえぎ、苦しんだものの、今回は明らかに肩の力が抜けて、自然体でプレーできているのも大きい。

 今の南野ならば、左右に誰が入ってもうまく合わせられるし、旗手怜央(セルティック)が入ってインサイドハーフ的な形になっても適応できるはず。ここからのキーマンになる可能性も大だろう。

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