森保Jがインドネシア戦で払った“代償”。唯一の休養機会を逸した遠藤、伊東、冨安...この先身体を休める時間は訪れない【アジア杯】

2024年01月25日 加部 究

もし開幕から連勝していれば…

日本代表を率いる森保監督。3-1でインドネシアに勝利を収めた。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

[アジアカップ グループステージ第3節]日本 3-1 インドネシア/1月24日/アルトゥマーマ・スタジアム

イラクに敗れて、インドネシア戦のシナリオは大幅に書き換えられたはずだ。

 もし開幕から連勝していれば、この試合は完全なターンオーバーで、その中から好調な選手を探し出すこともできた。ラスト10分間程度の出場に留まった渡辺剛や佐野海舟はスタメンに名を連ね、GKの選択肢も変わっていた可能性がある。

 だがカタール・ワールドカップ2試合目のコスタリカ戦でのターンオーバーが結果的に暴挙になってしまった教訓は、指揮官に慎重な采配を促したようだ。

 森保一監督が最も信頼を置き、だからこそインドネシア戦こそ最も休ませておきたかった遠藤航をフル出場させ、今後コンディションが維持できれば、フル稼働が予想される冨安健洋までピッチに立たせることになった。逆に両SBの毎熊晟矢や中山雄太、それにCBの町田浩樹は予定通りだったのだろうが、むしろ彼らはイラク戦の後半からでもプレーさせておきたい選手たちだった。
 
 インドネシアは1勝1敗という追い込まれた状況でなければ、まったく問題のない相手だった。しかも開始早々には、CBの町田から始まったビルドアップで左から右へとサイドを変え、毎熊のパスを受けた堂安律がエリア内で動いた上田綺世に差し込み、先制のPKを獲得。幸先の良いスタートで、カタールへきてから2戦続いた苦戦への懸念は一掃された。

 日本は終始、シュート、パスと各自がポジションの修正を連鎖させてリズミカルにボールを動かした。ワンタッチが増えたのでテンポが上がり、アタッキングサードに入ると仕掛けやタメを織り交ぜ、メリハリをつけて崩しにかかった。

 前半は右サイドで堂安と毎熊がレーンを入れ替わりながら久保建英を交えて効果的に連係し、後半に入るとミドルシュートとドリブルという武器を持つ中村敬斗が左サイドで受け、オーバーラップを引き出し、何度かの決定機に繋げた。

【PHOTO】日本代表のインドネシア戦出場16選手&監督の採点・寸評。5人が7点台の高評価。全得点に絡んだ9番をMOMに選出
 

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