なぜ初戦で2発の南野拓実を“鬼門”の左サイドに変更する必要があったのか。自慢の2列目が機能不全に陥った【アジア杯】

2024年01月20日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「タケのよさっていうのをうまく前半は出せなかった」

前半は左サイドでプレーした南野。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 日本代表は1月19日に開催されたアジアカップ2023のグループステージ第2戦でイラクと対戦。1-2で敗れた。

 開始5分にGK鈴木彩艶が弾いたボールを押し込まれて先制を許すと、前半終了間際にも1点目と同様にアイメン・フセインのヘディングシュートで2点目を献上。攻撃もなかなか機能せず、終了間際にCKから遠藤航のヘッド弾で1点を返すのが精一杯だった。

 不可解だったのが日本の強みであるはずの2列目の配置だ。右サイドの伊東純也、トップ下の久保建英とともに、左サイドに南野拓実を起用したのだ。南野はトップ下で先発したベトナム戦で2ゴール。結果を残したのだから、これまでも力を発揮できていなかったいわば"鬼門"の左サイドに移す必要はなかった。

 実際、後半から南野をトップ下、久保を右サイド、伊東を左サイドとポジションを変更している。

 久保建英をトップ下で起用したいのであれば、左サイドでは南野ではなく、6戦6発の中村敬斗(コンディションが万全ではなかったのかもしれないが)や前田大然、または旗手怜央でもよかったのではないか。

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 実際、南野自身も久保との連係が機能しなかったと認めている。

「僕とタケのよさっていうのをうまく前半は出せなかったかなと思うし、タケがこのチームの攻撃の重要な選手なので、よりタケがボール持ったときに何か助け合いながらプレーしたいなという意図はあったんですけど、そういうシーンはあんまり出せなかった。僕ら2人だけの関係じゃなくて、たぶんチームとしてもあんまり良くなかったんで、それは次への課題です」

 サイドで張るタイプではない南野が中に入った分、左SBの伊藤洋輝が高い位置ボ―ルを受けるシーンは少なくなかった。ただ、もともと攻撃が得意なタイプではないため、クロスの精度を欠き、なかなかチャンスを作れなかった。

 その観点からもチグハグさは否めなかった。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

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