111年の歴史の中で初めて２部降格という事態に陥ったサントス。そのブラジルの名門が、V・ファーレン長崎の指揮を執っていたファビオ・カリーレを新監督として迎え入れたと先月19日にSNSで発表した。

　カリーレは2021年９月から2022年末までサントスの監督を務めていた。ここ３年間でサントスはなんと監督を17人も代えたが、最も誠実だった監督の一人がカリーレだったと言われている。早々に１部復帰を望むサントスには、監督の人選は重要だ。だがこのことで大きな混乱が起こっている。

　なぜなら長崎は、このサントスのSNSを見て初めてカリーレの就任を知ったと主張。11月には彼と来季の契約を更新し、12月上旬にサントスとの交渉が報じられたため、もう一度意思確認をしていると説明している。発表は寝耳に水というわけだ。長崎が納得できないのは当然で、もし籍を移すのであればもちろん違約金が発生する。

　しかしカリーレとの合意を発表したわずか数時間後、先日の選挙で新たにサントスの会長となったマルセロ・テイシェイラは、サントスには違約金を長崎に支払う義務はないと公言した。実際、今のサントスの経済状態では違約金を払いたくないのが本音だろう。

　テイシェイラは「違約金の問題はもう過去の話題だ。サントスが支払えないことは最初から伝えてある。だが全てはクリアし、カリーレは確実に来シーズンにサントスのベンチに座る」と説明する。

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　11月末にブラジルに帰国したカリーレは、正式発表の前からすでにサントスの事務所や練習に日常的に顔を出していた。新シーズンへのプランニングを行ない、また来季を見据えての補強交渉にも関わっている。サントスがすでに獲得している選手はカリーレが望んだ選手であり、進行中の交渉もカリーレの承認の元で行われている。

　12月20日にサントスは記者会見を開き、カリーレの監督就任を発表した。その席ではカリーレ自身が長崎との問題についてこう述べている。

「私はこちらの月曜の夜、日本の月曜日の午前中にV・ファーレンと連絡を取り、リモートでゼネラルマネージャー、そしてチームオーナーとも直接話をした。１年半の間、かの地で生活し、素晴らしい仕事をするためのあらゆる助けを与えてくれたことに、とても感謝していると彼らには伝えた。彼らは私にもっと長い２年の契約を提案してくれ、私の決断をどうにか変えさせようとしてくれた。しかし、私はすでに決断していた。私はすでにサントスで仕事をしている」

　これが表に出ている話だ。

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