「大きな痛手だ」三笘薫の戦線離脱にブライトン番記者が嘆き。一方で、「一切輝きを放てなかった」不調の原因を指摘【現地発】

2023年12月24日 リッチー・ミルズ

「自信なさげな安全第一のプレーばかりが目立った」

クリスタル・パレス戦で負傷し、途中交代となった三笘。(C)Getty Images

 12月21日に行われたクリスタルパレスとのダービーマッチを、試合終盤のダニー・ウェルベックのヘディングゴールで1-1の引き分けに持ち込んだブライトン。この同点ゴールの代償というわけではないが、ゴールが生まれたのとほぼ同時に、イーグルス(ブライトンの愛称)は三笘薫を怪我で失った。

 新守護神のバート・フェルブルッヘンのミスから、前半にリードを許したブライトンだったが、82分のウェルベックの同点弾で騒がしいパレスのウルトラスを黙らせた。だが33歳の元イングランド代表のゴールでチームメイトが盛り上がっていた一方で、定位置の左サイドハーフで出場していた三笘は足を引きずりながらピッチを後にしている。

 このわずか4日前のアーセナル戦は0-2と敗戦。試合後の記者会見で、ロベルト・デゼルビ監督は三笘について次のように話していた。

「カオル自身のプレーは悪くなかった。チーム全体がタフな試合を強いられた。怪我もあり、以前のようなパフォーマンスはまだできていないが、チームにとっては不可欠な存在だ」
 
 しかしパレス戦での三笘のプレーは"悪かった"。日本代表ウインガーは、対峙したナサニアル・クラインに苦しめられ、思うようなプレーをさせてもらえなかったのである。昨シーズンの三笘であれば、経験豊富だがスピード不足のクラインを圧倒するパフォーマンスができたはずだ。だがこの夜の彼は、一切輝きを放てずに南ロンドンの地を去ることを余儀なくされた。

 ボールを受けても大胆に仕掛ける姿はなく、自信なさげな安全第一のプレーばかりが目立った。22分、クラインに仕掛けてもおかしくない場面だったが、トラップが大きすぎてボールを失った。その数分後には、動きにキレがないために自身に向かってくるパスも簡単に奪われた。さらに40分にも足もとにボールが収まらずに、クラインに仕掛けることさえもできなかった。

 26歳の好不調のバロメーターの一つが、彼のファーストタッチだ。パレス戦では序盤からこのファーストタッチが目に見えて悪く、厳しい試合になる予兆があった。ボールを受けても、何をすべきか分からない様子で、アイデアが不足していた。

【動画】懸念の声が続々と上がった三笘薫の負傷シーン

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