アグレッシブに前へ。スタイルにブレなし
6季ぶりのJ1で10位の新潟。松橋監督は確かな手腕でチームを残留に導いた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)
2017年以来、6シーズンぶりのJ1復帰を果たした今季、10位と躍進したアルビレックス新潟。開幕前の下馬評では「J2降格候補」という見方も少なくなかったが、シーズン序盤は伊藤涼太郎(現シント=トロイデン)や太田修介、三戸舜介らアタッカー陣のブレイクもあって、開幕4戦無敗という好発進を見せる。
4月以降はやや停滞期に突入し、勝ったり負けたりを繰り返していたが、ボールを大事にしながらアグレッシブに前へ出ていくスタイルはブレることがなかった。
それは夏に伊藤という攻撃のキーマンが海外移籍に踏み切った後も変わらなかった。その象徴が9月以降のリーグ9戦無敗という戦いぶりだろう。頭抜けた得点源は不在だったが、全員がハードワークして90分間を戦い抜きながら、泥臭く勝点を積み上げ、最終的に10位でフィニッシュ。彼らはそれだけの底力を示したと言っていい。
シーズン終了後、今季の総括会見に臨んだ松橋力蔵監督は「勝点45の10位という結果をポジティブに捉えています」と前向き発言。「もちろん、もう少し上に行けたんじゃないかと感じるし、苦しい時期もあった。最後のほうは負けなしだったが、勝点を落としているのも事実。そこを落とさなければ一桁順位で終われたと思う」と悔しさもにじませた。
まず第9節までの1期は、得点12・失点14という数字。失点の多さが課題として浮かび上がった。主な要因は、ペナルティエリアに侵入される回数、クロスを上げられる回数が多かったこと。それを減らすために、1対1の状況でより強くボールにアプローチし、エリア内に侵入させないように仕向けていくことを強く求めた。
松橋監督の思惑通りに試合を運べた象徴的一戦が、4月9日の第7節・ヴィッセル神戸戦だ。全体がラインを上げてボールを奪いに行き、インターセプト回数も増加。鋭いアタックに持っていけた。
惜しくも結果はスコアレスドローに終わったが、大迫勇也、武藤嘉紀、山口蛍、酒井高徳といった元代表クラスがズラリと並ぶトップ集団と互角に戦えたことは、昇格組の新潟にとって大きな自信になったはずだ。
4月以降はやや停滞期に突入し、勝ったり負けたりを繰り返していたが、ボールを大事にしながらアグレッシブに前へ出ていくスタイルはブレることがなかった。
それは夏に伊藤という攻撃のキーマンが海外移籍に踏み切った後も変わらなかった。その象徴が9月以降のリーグ9戦無敗という戦いぶりだろう。頭抜けた得点源は不在だったが、全員がハードワークして90分間を戦い抜きながら、泥臭く勝点を積み上げ、最終的に10位でフィニッシュ。彼らはそれだけの底力を示したと言っていい。
シーズン終了後、今季の総括会見に臨んだ松橋力蔵監督は「勝点45の10位という結果をポジティブに捉えています」と前向き発言。「もちろん、もう少し上に行けたんじゃないかと感じるし、苦しい時期もあった。最後のほうは負けなしだったが、勝点を落としているのも事実。そこを落とさなければ一桁順位で終われたと思う」と悔しさもにじませた。
まず第9節までの1期は、得点12・失点14という数字。失点の多さが課題として浮かび上がった。主な要因は、ペナルティエリアに侵入される回数、クロスを上げられる回数が多かったこと。それを減らすために、1対1の状況でより強くボールにアプローチし、エリア内に侵入させないように仕向けていくことを強く求めた。
松橋監督の思惑通りに試合を運べた象徴的一戦が、4月9日の第7節・ヴィッセル神戸戦だ。全体がラインを上げてボールを奪いに行き、インターセプト回数も増加。鋭いアタックに持っていけた。
惜しくも結果はスコアレスドローに終わったが、大迫勇也、武藤嘉紀、山口蛍、酒井高徳といった元代表クラスがズラリと並ぶトップ集団と互角に戦えたことは、昇格組の新潟にとって大きな自信になったはずだ。
「より強度の高い守備」を意識的に実践した結果、第10節~第17節の2期では相手のエリア侵入やクロス回数が大きく減少。失点数も少なくなっていったという。
一方の攻撃を見ると、シーズン序盤からアタッキングサードに入っていく回数は、リーグ1位をずっとキープしていたが、エリアへの侵入回数はリーグ平均を下回った。つまり、それだけゴール前に入る質が低かったということ。それをいかに引き上げるかを考えながら取り組んだ。
「我々はゴールキーパーを使いながら前進するところが強み。そういう形から12月3日の最終節・セレッソ大阪戦の長倉(幹樹)のゴールが取れた。我々は相手を引きつけながら、相手がボールサイドでコンパクトになったら逆サイドから入っていくとか、常に相手を見て自分たちがボールを動かそうとしていた。そうすると、相手が隙を与えてくれる。
そうやってゴール方向に向かっていく形を続けた結果、最終節のように自分たちのやりたい形が出せた。そこは大きな収穫でした」と、松橋監督も2023年の集大成となるゴールシーンが生まれたことに、手応えを掴んだ様子だった。
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