「惨敗です」「全然ダメ」三笘薫、完敗のアーセナル戦後に語った問題点。お膳立てをフイにした味方のミスには「いや、僕も決定機があったんで」【現地発】

2023年12月20日 松澤浩三

「アーセナルが我々より断然良いプレーをした」

アーセナル戦でフル出場した三笘。(C)Getty Images

 直近のプレミアリーグのアーセナル戦、敵地エミレーツスタジアムで今季のリーグ優勝候補のひとつと対戦したこの試合で、ブライトンはまるで良いところを見せられずに、0-2で敗れた。

 定位置の左サイドハーフで先発フル出場した三笘薫が、試合後のミックスゾーンで「惨敗」と形容したとおり、まるで手も足も出ないままで90分間(+アディショナルタイム6分)が過ぎていった。

 思い返してみても、ロベルト・デ・ゼルビ監督の下でシーガルズ(ブライトンの愛称)が、ここまでやりこめられた試合は記憶にない。その指揮官も試合後の記者会見で「アーセナルが我々より断然良いプレーをした。彼らは勝利に値し、我々は大いに苦しめられた」と淡々とした表情で振り返った。

「アーセナルはリーグ最高チームの一つ。おそらく、現時点でのベストチームだ。普段のブライトンは試合をコントロールするチームで、こんな風に苦しめられるのには慣れていない」
 
 試合は、まさにイタリア人の戦術家が話したとおりの内容だった。わずか7か月前、同じスタジアムで3-0と圧倒した相手に完膚なきまでに打ちのめされたのである。立ち上がりから、高い位置から繰り返される速いプレッシングに押し込まれ、ブライトンイレブンが敵陣でプレーする機会は数えるほどしかなかった。

「戦術的に自分たちが狙ったところがなかなかはまらなくて、前半は特にボールを握れなかった。(失点)ゼロでしたけど、主導権を握れなかった要因ですね」と、試合後に三笘は分析した。

 防戦一方だった状況については、「そうですね。(これほど押し込まれたのは珍しく)僕の位置も全然違いましたけど、それによって奪った後に、誰も前にいないって状態になってしまっていた」と話している。

 プレミアリーグの公式サイトでポゼッションのスタッツを確認すると、ブライトンの51パーセントに対してアーセナルは49パーセントとなっている。この数字には驚きだが、アウェーチームが自陣でボールを回した時間が長かったからだろう。

 三笘は「つなぐ意識が強すぎて、特に何度も(アーセナルのプレスに)はまって、そこで自分たちがやりたいことに固執してしまったというか...。もっとロングボールを蹴れば良かったですけど、そこはちょっと難しいですね」と振り返った。
 

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