［天皇杯決勝］川崎 ０(8PK7)０ 柏／12月９日／国立競技場

　別れを惜しむようなメッセージだった。

　12月９日に国立競技場で行なわれた天皇杯決勝では、PK戦の末に川崎が柏に勝利。２度目の大会制覇を果たした。

　試合後、熱い言葉を残したのが、先発出場したFWレアンドロ・ダミアンだ。

「この５年間はフロンターレには感謝の気持ちでいっぱいで、感謝しかないです。自分にとってはポジティブな面しかありませんでした。（フロンターレは）自分の人生の大きな部分で、たくさんのことを学びました。自分の家族にとってもプラスのことしかなかったです」

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　印象的だったのはその横で、涙を堪えるように"ゴンさん"こと中山和也さんが通訳をしていたことだ。

　そのゴンさんに、L・ダミアンとの改めてのエピソードを訊くと、こぼれ落ちそうになる熱いものを我慢するかのように語ってくれた。

「やっぱり込み上げるものがありましたね。サッカー選手でいえば優しくて、上手くいかない時も周りのことを気に掛けていたのが印象的でした。

　ブラジル人サッカー選手であれば、（異国での挑戦に）グチのひとつやふたつ出るでしょうが、彼はそんな素振りを表に出さずに、自分のなかにしまい込んでしっかりしようとしていた。そんな選手でした」

　まさに誠実で誰からも愛される。サポーターからの盛大な"ダミアン・コール"からも彼が称賛されるべきサッカー選手であることが改めて分かった。

取材・文●本田健介（サッカーダイジェスト編集部）

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