「ファンには我慢してもらいたい」三笘薫への“過大評価”にブライトン番記者が警鐘「今後は批判の対象になりうる」【現地発】

2023年12月06日 リッチー・ミルズ

ブライトンのファンは大声でチャントを歌った

チェルシー戦で果敢に仕掛けた三笘。(C)Getty Images

 12月3日にスタンフォード・ブリッジで行われたチェルシー対ブライトン戦。両チームの選手が感情むき出しにしてプレーしたこの試合は、激しい打ち合いの末、エンソ・フェルナンデスの2得点などを含む3―2で前半に退場者を出したホームチームが勝利した。

 17分にアルゼンチン代表のフェルナンデスが先制点を決めると、その4分後には、昨季はシーガルズ(ブライトンの愛称)でプレーしたリーバイ・コルウィルが追加点を挙げる。

 意気消沈のブライトンはその後も押し込まれたが、ハーフタイム寸前の43分。ペナルティエリア右でパスを受けたファクンド・ブオナノッテがインサイドに切り込んで、左足から鮮やかにシュートを叩き込み1点を返した。
 
 さらに前半終了間際、チェルシーのゲームキャプテンを務めていたコナー・ギャラガーが2枚目のイエローカードを受けて退場。流れはブライトンに傾いたかと思われた。実際に後半はブライトンがボールを支配し、チェルシーゴールに迫っていた。

 しかし61分にチェルシーはカウンターから一気に攻めあがり、ドリブルでボックス内に侵入したミハイロ・ムドリクをジェームズ・ミルナーが背後から倒したとみなして、主審のクレイグ・ポーソンはPKの判定。ビデオ検証の後、フェルナンデスがこのPKを決めてチェルシーはリードを2点に広げる。

 一方、この日ベンチからスタートした三笘薫がピッチに投入されたのは3点目を許す5分前の、57分だった。その2分後には定位置の左サイドでボールを受けると、柔らかいタッチでボールをコントロール。ディフェンダーをかわして前方に向き、これからスピードを上げていこうとしたところに、カバーリングに入った2人目のディフェンダーからの激しいタックルで止められてしまう。

 三笘の"らしい"プレーに、期待を膨らますブライトンのファンは大声でチャントを歌った。

 だが直後に前述のPKの判定が下されて、再び2点差の状況である。焦りが見られるシーガルズの攻撃陣がボールを集めたのが三笘だった。積極的にチェルシーの2番、アクセル・ディサシに仕掛けていく。パスをもらっては仕掛けてボックス内に入り込み、中央へグラウンダーのクロスを入れる。しかしことごとくブロックされた。


 

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