「本来の調子からはほど遠い」戦線復帰した三笘薫の状態にブライトン番記者は懸念「しばらく極上の質を証明できていないが...」【現地発】

2023年12月03日 リッチー・ミルズ

グループステージ最終節で首位通過を懸けてマルセイユと対戦

AEKアテネ戦で戦線に復帰した三笘。(C)Getty Images

 ブライトンはAEKアテネを1-0で下してヨーロッパリーグのグループステージ突破を決めた。ロベルト・デ・ゼルビ監督率いるイレブンは、苦しみながらも、数的不利に陥ったAEKを退けることに成功。クラブにとって歴史的な瞬間が訪れたのだった。

 11月30日、AEKの本拠地OPAPアリーナで行われた第5節。55分にジョアン・ペドロがPKで決めた1点を守り切り、これにより欧州カップ戦初参戦ながら、ブライトンはグループステージ突破を決めたのである。

 しかし勝利にたどり着くまで、シーガルズ(ブライトンの愛称)は厳しいバトルを強いられた。特に前半は、立ち上がりこそ悪くなかったものの、その後は主導権を常に握られる状態が続き守勢となった。だが65分にAEKのMFミヤト・ガチノビッチがこの日2回目のイエローカードを受けて退場処分となり、数的有利になったのにも救われた。
 
 それでもホームチームの勢いは止まらず、パフォーマンスのみを見れば、90分間を通じて、イングランド南部のクラブが勝った部分はほぼなかったと思える。そういっても過言ではない。だがこの貴重な勝点3を奪ったことで、今月14日のグループステージ最終節で首位通過を懸けて、マルセイユと戦う舞台に上がる権利を勝ち取ったのだった。

 この試合で、日本中のサッカーファンの期待を一身に背負う三笘薫が復帰した。3-2で勝利した前節のプレミアリーグ、ノッティンガム・フォレスト戦を欠場。さらにそれ以前のインターナショナルウィークも、けがにより日本代表から途中離脱。久々の実戦となった。

 そんな状況でも、日本のエースは開始から90秒でいきなり実力を発揮した。左サイドでボールを受けた三笘は、周囲の動きをしっかり見て前線にスルーパスを送る。このボールに、アイルランドが誇る若きストライカー、エバン・ファーガソンが反応。タイミングよく飛び出してペナルティーエリア左へ侵入し右足でシュートを放ったものの、AEKの守護神、シカン・スタンコビッチに惜しくも弾き出された。
【動画】三笘が復帰後ファーストプレーで絶妙スルーパス
 直後には、敵DFのドマゴイ・ヴィ―ダのミスからラッキーなゴールが生まれそうになったものの、再びスタンコビッチにセーブされ、シーガルズの先制点にはつながらなかった。
 

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