「ファンを落胆させ、怒らせている」ガビ離脱が与えるピッチ内外の影響をバルサ番記者が考察「反骨精神の体現者抜きで戦わなければならない」【現地発】

2023年11月24日 エル・パイス紙

今やバルサで最も頭脳明晰で愛される選手

今シーズン中の復帰は絶望となったガビ。(C)Getty Images

 ガビほど、強い決意と献身をもってバルセロナの旗を掲げてきた選手はいない。スペイン代表の一員として臨んだジョージア戦での負傷が、バルセロニスタを落胆させ、怒らせているのはそのためだ。

 ラ・マシアで育ったこのアンダルシア人選手は、モンジュイックで行われた前回のクラシコでプレーのクオリティを高めて以来、バルサのリーダー的存在だった。ピッチ上でも、記者会見場でも、1-2の敗戦を踏まえた素晴らしい解釈を披露し、バルセロニスタに加え、マドリディスタと批評家からも尊敬を集めた。

 バルサは、ジュード・ベリンガムに2ゴールを奪われ逆転を喫したが、その直接の引き金になったのが疲労困憊となったガビの運動量が低下したことだ。彼は今やバルサで最も勤勉でコンスタントなだけではなく、最も頭脳明晰で愛される選手でもある。日曜日にバジャドリーで負傷するまで、その成長曲線はとどまるところを知らなかった。

 27試合連続で代表戦に出場する一方で、バルサでは今シーズン、17試合中15試合に出場。サスペンションで欠場する以外、試合に出ずっぱりだったガビが負傷するとは、誰も予想していなかった。

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 バルセロニスタは、ガビがスタメンで出場することにもその免疫力の高さにも慣れていた。特筆に値するのは、自身の役割をこなすだけではなく、時にはペドリとして、あるいはフレンキー・デ・ヨングとして、はたまたジョアン・フェリックスとして振る舞うことで、トータル的な能力を向上させ、バルサスタイルのMF像の集大成のような選手へと進化を遂げたことだ。

 ルイス・エンリケがスペイン代表監督時代に強調していたように、ガビはフィジカルの強さだけではなく、才能でも際立っていることを証明した。

 シウタ・エスポルティバ・ジョアン・ガンペール(バルサの練習場)では、突然訪れた今回の試練にガビがどのような反応を示すのか、誰も予想できないという。トップチームのドレッシングルームを訪れ、チームメイトに慰められた後、親しい友人たちからのメッセージにさえ返信していない。

 シャビの言葉を借りれば、ガビはバルサの"魂"にして"心臓"だった。負けず嫌いの塊でもあり、激しさとダイナミズムを前面に押し出したプレーは現代サッカー選手の1つの理想形だった。

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