【U-17日本代表 採点・寸評|アルゼンチン戦】シュート1本の道脇は厳しく評価。中島の攻撃センスは強豪国にも通用した

2023年11月15日 松尾祐希

世界との差を突きつけられる一戦

アルゼンチン戦は序盤に2失点。終了間際にもゴールを割られ、1-3で敗れた。写真:佐藤博之

[U-17ワールドカップ]日本 1-3 アルゼンチン/11月14日/Si Jalak Harupat Stadium

 U-17日本代表は現地11月14日、インドネシアで開催されているU-17ワールドカップのグループステージ第2節でアルゼンチンと対戦した。

 開始5分、8分に失点し、序盤に2点のビハインド。50分に高岡伶颯が1点を返すと、87分には右CKの流れから川村楽人がゴールネットを揺らすも、直前のファウルで得点は取り消しに。逆に90+8分に3失点目。1-3で敗れた。

 本稿では、現地の取材記者によるチームや選手、監督の採点・寸評をお届けする。
 
【日本代表・総評】
採点「5」

 戦前から力の差があるのは予想できた。しかし、考えられるなかで最悪のスタートで、ゲームプランが崩壊。「仕掛けの迫力は想像以上」(森山佳郎監督)の相手に対し、立ち上がりから翻弄される。

 5分、ゴールまで30メートル付近でFKを与えると、10番のMFクラウディオ・エチェベリに鮮やかな一撃を決められた。「0-0もしくは0-1」という前半のプランを遂行するのであれば、これ以上の失点を避けたかったが、3分後には左サイドを破られ、最後はMFバレンティノ・アクーニャにゴールを割られた。

 わずか開始8分で2失点。完全にペースを握られると、選手たちのプレーも消極的に。ボールを受けても逃げるような繋ぎやミスが頻発し、相手ゴールに向かうパスをなかなか出せない。守備でも前線からボールを奪いに行くが、中盤より後ろの選手が連動できずに単発のプレスに終わってしまう。

 相手に簡単にボールを運ばれると、間延びした中盤のスペースを使われて何度もゴール前に進入を許した。

 防戦一方の前半を終えると、森山監督が選手たちに喝を入れる。「(ブラジルに逆転勝ちしたイランのように)俺らも2段階ギアを上げられるだろう」と叱責。さらに前から圧力を掛ける意識と、前線と中盤が連動してプレッシャーをかけるように求めた。

 すると、後半は立ち上がりから見違えるようなプレーを披露。ハイプレスがハマり、高い位置でボールを奪えるようになる。

 50分には右SB柴田翔太郎が相手に倒されそうになりながらも前に運び、右サイドの深い位置を抉ってゴール前に折り返すと、FW高岡伶颯が押し込んで1点を返した。

 中盤でも落ち着いてボールを動かし、MF中島洋太朗のパスを起点にチャンスを生み出す。右サイドハーフの佐藤龍之介が流動的なポジショニングでボールを呼び込み、後半開始から入ったFW井上愛簾も背後への抜け出しでパスを引き出した。

 しかし、アタッキングサードまで運んでも、最後のパスやクロスの質が伴わず、相手の牙城を崩せない。87分にCKのこぼれ球を川村楽人が押し込んだが、直前のプレーでGKに対するファウルを取られてノーゴールの判定に。逆に90+8分にカウンターから被弾。

 1-3の完敗。後半のような戦いが前半からできていればと思わせたが、世界との差を突きつけられる一戦だった。

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