指揮官は「もうちょっと緊張感を出せよ」とツッコミ。やる気満々のU-17代表、世界の大舞台でどんな戦いを見せるか

2023年11月11日 松尾祐希

日本の相手は難敵ばかり

U-17W杯に臨む若き日本代表。初戦の相手はポーランドだ。写真:松尾祐希

「目標はファイナリスト」

 10月25日のメンバー発表記者会見で、森山佳郎監督はキッパリと言い切った。過去最高のベスト8を超え、U-17ワールドカップで決勝の舞台に辿り着く――。強い決意で、インドネシアの地に乗り込んだ。

 若き日本代表は、11月11日にポーランドとの初戦を迎える。14日にアルゼンチン、17日にセネガルとの対戦を控えており、"死の組"を勝ち抜くうえで、ポーランド戦が重要になるのは言うまでもない。

 決勝トーナメント進出の条件は、各組上位2か国と、全6グループにおける3位の上位4か国。24分の16という数字を見れば、難易度は高くなさそうだが、日本の相手は難敵ばかり。

 ポーランドは欧州4位のチームだが、4月のU-17欧州選手権では5試合で18得点をマーク。準決勝でドイツに5失点を喫したが、3ゴールを挙げている。3位で南米予選を突破したアルゼンチンも、A代表のトレーニングに参加した経験を持つリーベルプレートのFWクラウディオ・エチェヴェリを筆頭に攻撃力が凄まじい。アフリカ王者のセネガルには、若干15歳で今年9月にA代表デビューを飾った注目のドリブラー、FWアマラ・ディウフを擁しており、一筋縄ではいかないだろう。

 そうした難敵たちから勝点を奪ったうえで、ノックアウトステージではもう1ランク上のレベルの相手から勝利を掴まなければいけない。2019年のブラジル大会では、グループステージは2勝1分で首位突破しながらも、ラウンド16でメキシコに0-2の完敗を喫した。

 当時のU-17代表でキャプテンを務めたDF半田陸(G大阪)は「いけるだろうみたいな、ちょっと変な空気があった」と振り返ったが、チームとしてのピークの作り方や、ラウンド16以降を見据えた雰囲気作りは課題となった。
 
 好調を維持して予選を突破しても、勝てなければ元の木阿弥。A代表や五輪世代のチームで戦う際にも必ず通る問題で、U-17代表にとって今大会の戦い方は、将来を見据えたうえでも大きな意味がある。

 雰囲気作りやラウンド16以降にピークを持っていく作業は簡単ではないが、少なくとも今大会のメンバー構成に関しては、誰がピッチに立っても力を落とさずに戦える戦力が揃った。

 A代表のワールドカップとは異なり、U-17ワールドカップの登録人数は21人。1人で2つ以上のポジションをこなす必要があり、そのうえで誰が出てもチーム力が落ちないようなメンバー構成にしなければならない。特に今大会はFWを5人登録しており、人数が少ない中盤と最終ラインのやりくりはポイントのひとつだ。

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