1-1から悪夢のような展開。敵地で痛恨敗戦の浦和、かつてない過密日程も戦い抜く種火は残されている【ACL】

2023年11月09日 河治良幸

左足の技巧的なシュートで股を抜く

カンテ(11番)の絶妙弾で先制した浦和だったが、まさかの逆転負け。浦項相手に連敗となった。(C)2023 Asian Football Confederation (AFC)

[ACL GS第4節]浦項 2-1 浦和/11月8日/浦項スティールヤード

「今回の負けは力負けしてたというよりも、すぐには答えが出てこないような負け方。勝負の世界でこういうことがあるなっていう。だからこそ、本当に切り替えて、ルヴァンから切り替えて、この試合に120%で臨んで...」

 アウェーチームのロッカールームから最後に出てきた荻原拓也はそう振り返った。

 浦和レッズは11月8日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第4節で、韓国の浦項スティーラーズと敵地で対戦。1-2で敗れた。

 マチェイ・スコルジャ監督が「人生を変えるかもしれない」と選手たちに伝えていた"大一番"が、前回のホーム浦項戦から4試合続いたが、浦項に0-2で敗れたあと、リーグ優勝への希望をつなぐ鹿島アントラーズとのアウェーゲームもスコアレスドローに終わる。そしてルヴァンカップの決勝で、アビスパ福岡に1-2で敗れて、すぐに韓国へ移動してきて、中4日で浦項戦を迎えた。

 しかも、相手の浦項は直前に、韓国FAカップの決勝で全北現代に4-2の勝利を飾り、2013年にKリーグとFAカップの二冠を果たして以来、10年ぶりのタイトル獲得という状況だった。そうしたなかでも、600人という浦和サポーターが現地に乗り込んでおり、サッカー専用スタジアムのスティールヤードにチャントを響かせた。
 
 先に失点しないこと、勝点3につながるゴールを奪うこと。この難しいバランスと向き合いながら、浦和の選手たちは浦項を大きく上回るチャンスを作り、スタメンでトップ下に抜擢されたタイ代表の"ブック"ことエカニット・パンヤらが積極的に仕掛ける。さらに左サイドバックのポジションから荻原が左サイドハーフの小泉佳穂と絡むなど、特に左ワイドの攻撃は可能性を感じさせていた。

 そして待望の先制ゴールは36分、左サイドのカウンターからもたらされる。自陣で浦項のパスをインターセプトした荻原がダイレクトで小泉に付けると、小泉は二人の選手に囲まれながら持ち前のテクニックで外し、左ワイドに流れるエカニットに縦パスを通した。

 そこから折り返しのボールを受けたFWのホセ・カンテが、"理不尽砲"とも呼ばれるシュートを警戒する浦項のディフェンスを嘲笑うように、左足の技巧的なシュートで相手の股を抜き、GKファン・インジェが届かないゴール右隅に流し込んだ。

「パスカットも狙ってたし、ダイレクトで前に付けて、その一歩からそのままゴール前まで行って。結果的に自分のところにパスは来なかったんですけど、走った結果、ゴールに繋がったのが、いやもう本当に嬉しくて...この試合、楽しいなと思った」(荻原)

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