新潟、勝利を手繰り寄せた“ぶっつけ本番”の5バック。応急策で7戦ぶりの無失点も「誰も満足していない」

2023年10月29日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「本当にこれは大事な一勝」

無失点で守り切り、リーグ戦10勝目に貢献した舞行龍。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第31節]京都 0-1 新潟/10月28日/サンガスタジアム by KYOCERA

 ぶっつけ本番の5バックで勝利を手繰り寄せた。

 アルビレックス新潟は10月28日、J1第31節で京都サンガF.C.と対戦し、1-0で勝利。今季リーグ戦10勝目を手にした。

 膠着状態のなか、新潟が34分に先制。右サイドの敵陣中央で獲得したFKで、高木善朗がクロスを供給すると、これにファーサイドへ走り込んだ渡邊泰基が左足で合わせて、試合を動かした。

 終盤に新潟は、この1点を守り切ろうと、急遽、守備重視のシステムに変更。5バックのブロックを敷き、引いて守る。セットプレーやクロスから京都に何度もチャンスを作られたが、ゴール前でも粘り強く守り、無失点に抑えた。

 守備に徹した5バックはこれまで、練習でも試したことはなく、勝ち切るための応急的な策。どんな手を使ってでも勝利にこだわる姿勢を示した。
【動画】セットプレーから渡邊が流し込んだ先制点!
 守り切るために82分から投入されたDF舞行龍ジェームズも、「(チームは)勝ちにこだわっている。相手に大きい選手が多く、セットプレーがチャンスになっていたので、そこをみんなで対応できて良かった」と安堵の表情を浮かべた。

 7試合ぶりの無失点で、苦しいゲームを勝ち切った新潟。「本当にこれは大事な一勝」と手応えを語る舞行龍は、スタメン11人、途中からピッチに立った5選手を含め、全員の力で手にした勝点3だと強調する。

「(無失点は)嬉しいですね。無失点は守備陣の評価にもつながるし、交代で入った5選手がしっかり役割を果たして、最初からいる選手もしっかりすべてを出して、生まれた勝点3だと思います」

 ただ、油断はない。「大きい勝利ですけど、誰も満足していないと思う。次の3試合を大事にしていきたいし、相手に(得意な)サッカーをさせないように、自分たちのサッカーを90分やり通せるように、もっと質を上げてやっていきたい」とさらなる成長を誓った。

 J1残留が決定した今、新潟が目ざすのは1つでも順位を上へ上げること。次節は11月11日、ホームでFC東京と相まみえる。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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