【J1】開幕直前チェック 湘南編|究極の攻撃サッカーでリーグを席巻したい

2016年02月25日 隈元大吾

曺監督は、「迷っている選手はいない」と自信をのぞかせる。

湘南の2016年シーズン基本布陣。前線の迫力不足は否めないが、全体の運動量とアグレッシブな攻撃参加で、それをフォローする。

【プレシーズンを通じての収穫と課題は】
 
 例年よりも1週間早い開幕を見据えてのことだろう。1月12日の始動から、チームはよりハードなトレーニングを重ねてきた。加えて1月は本拠地の湘南でユースとの45分を含む3試合、沖縄キャンプで5試合、再び湘南に戻って3試合と、計11試合を行なった。練習と実戦を通じ、スタイルの共有や意思の疎通を深めている。
 
 曺貴裁監督が就任して5年目の今季、標榜するのは「究極の攻撃サッカー」だ。湘南スタイルと呼ばれる攻守にアグレッシブなサッカーをさらに"深化"させ、よりコンパクトな組織のなかで常に攻撃を、ゴールを意識する。新加入を含め、選手たちは目指すスタイルをスムーズに吸収し、連動している。指揮官の言葉に、彼らへの信頼が滲む。
 
「この時期は迷いのある選手がいるものだけど、僕が見ている感覚として迷っている選手はいない。勝つためにやらなければいけないことを全選手が押さえていて、それに対して頑張ろうと取り組んでいる。まとまっています」
 
 前回J1を戦った2013年と比べ、昨季は失点が減少した。コンパクトなスタイルが相手をゴールから遠ざけた証左だった。一方で、今季期待されるのは得点力の向上だ。そのためにチームはペナルティエリアに入る回数を増やすことを志向する。その成果が勝点につながることは間違いない。

次ページシーズンを通した競争の活性化で、個人とチームの成長につなげる。

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