【J1】開幕直前チェック 横浜編|“アデミウソン・ロス”に陥るチームを齋藤学が救えるか?

2016年02月24日 藤井雅彦

クラブは新外国籍選手の補強を明言。

横浜の2016年シーズン基本布陣。昨季チーム得点王のアデミウソンが抜けた穴は大きいだけに、齋藤の奮起が期待される。

【プレシーズンを通じての収穫と課題は?】
 
 積年の課題である得点力不足は、いまだ解決の目処が立っていない。始動から10日目に行なわれた青山学院大との練習試合では、ルーキー和田のハットトリックを含む9得点を記録したものの、その後のJクラブ相手での練習試合では沈黙が続く。
 
 沖縄キャンプでは大宮相手に1得点(富樫)したが、翌日の東京V戦では無得点。チーム作りが進んだはずの宮崎キャンプでは福岡、山口、広島の全3試合でノーゴールに終わり、開幕1週間前に行なわれた湘南との練習試合(非公開)でようやく伊藤が1得点したという。
 
 沖縄キャンプ中にはラフィーニャが右膝前十字靭帯損傷の大怪我を負い、今季中の復帰が難しくなった。現状では昨季のチームトップスコアラー・アデミウソンが退団した穴を埋め切れていない。
 
 あえてポジティブな材料を挙げるとすれば、ラフィーニャを除いて主力選手に怪我人がいないことだ。昨季は開幕前に中村、ラフィーニャ、伊藤といった攻撃陣の主力候補にアクシデントが相次ぎ、開幕まで一度もベストメンバーを組めなかった。
 
 その反省を踏まえ、モンバエルツ監督は選手のコンディションに細心の注意を払ってトレーニングを進めてきた。その結果、「フィジカル的には良い準備ができた」(モンバエルツ監督)。主力組の顔ぶれは大きく変わっておらず、戦術理解度にも不安はない。あとは、いかにしてゴールを奪うか。課題と興味はその一点に尽きる。
 

次ページ背番号11が名実ともにチームを牽引する存在になれるか。

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