【Jリーグ2月開幕の是非は?②】仕組みだけが毎年複雑化していく現体制は、ファン離れのリスクをはらんいでる

2016年02月19日 後藤健生

リーグ終盤からの盛り上がりが、チャンピオンシップ決勝につながらない。

昨季のチャンピオンシップ復活は、あながち失敗ではなかったが、複雑化する一方のレギュレーションは見直す必要がある。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 Jリーグは昨季、2ステージ制とチャンピオンシップを11年ぶりに復活させた。その目的のひとつはコアなサポーター以外の、いわゆる"ライト"層に向けてのアピールだった。

 実際、昨季のチャンピオンシップは地上波でも放送され、また試合自体が劇的な展開だったこともあり、僕の周囲にも「サッカーを久しぶりに観たけど、思っていたより面白かった」という人がいたから、チャンピオンシップ復活はあながち失敗ではなかった。

 しかし、J1~J3の他に天皇杯やナビスコカップがあり、そのうえ、J1が2ステージ制となり、チャンピオンシップも行なわれたことで優勝決定の仕組み(レギュレーション)は複雑化する一方だ。ライト層のファンには、とても理解できないはずだ。

 いや、ライト層どころではない。

 何試合行なわれるか直前まで分からないチャンピオンシップの複雑なレギュレーション。J2昇格プレーオフにJ2・J3入れ替え戦。あるいはカップ戦におけるACL出場チームのシード等々、サッカー関係者だってレギュレーションをすべて理解できている人は、それほどいないのではないか。

 さて、2ステージ制復活2年目の2016年。チャンピオンシップの方式がマイナーチェンジされ、また2月下旬に第1ステージが開幕。第2ステージが11月3日に終了という、かなり前倒しの日程が発表された。

 昨季の反省を受けての改革のつもりなのだろう。だが、分かりにくさが、さらに増してしまったような気がする。

 第2ステージが11月の初めに終了すると、直後の6日にはチャンピオンシップの1回戦が行なわれる(もし1回戦があれば、の話だが)。しかし、準決勝までは2週間以上の空白があり、11月22日(または23日)開催となる。

 これでは、せっかくのリーグ終盤からの盛り上がりが、チャンピオンシップ決勝につながらないではないか。しかも、肝心の決勝は、今年も中2日または中3日の過密日程となってしまうのだ。

次ページすべてをリセットして、合理的な、分かりやすい日程を考える時期に来ている。

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