有名な春祭りは久保建英の“訂正発言”でも話題に。ベティスサポは「そんなことで怒らないよ」と...【セビージャを巡る旅|後編】

2023年10月16日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

一部のベティスサポーターからSNSなどで批判の声が

昨季のベティス戦後の発言が話題となった久保。C)Getty Images

 スペインの南西部にあるアンダルシア州の州都セビージャには、ともにラ・リーガで優勝経験のあるセビージャとベティスという名門クラブが本拠地を置いている。前編でも紹介したように、その2クラブのライバル関係はスペイン屈指で、ダービーは決まって熱い試合になる。

 そんなセビージャでは、世界的に有名な2つの祭りがある。セマナ・サンタ(聖週間)と春祭りだ。前者は復活祭の前日まで1週間をかけて催され(3月後半~4月中旬頃)、後者はその2週間後に、こちらも約1週間開催される。

 セビージャでサッカーを観るなら、街が活気づくこの時期に訪れてみるのも一案だ。

 その祭りについて、他でもないレアル・ソシエダの久保建英に関連するこんなエピソードがある。

 昨シーズン、敵地セビージャで行なわれたベティス戦の後、久保は「フェリア(春祭り)期間中にセビージャに遊びに来る予定はあるか」と記者から質問を受け、「そんなバカなことはしている余裕は僕たちにはない」と回答した。チャンピオンズリーグ出場権を懸けて戦っていた真っ最中だ。サッカーに集中しているという意味合いだった。

「殴られる以上のことが待っている」久保建英も指摘した2クラブの強烈なライバル関係。ベティスサポは「イヌイ!僕は好きだったよ」と...【セビージャを巡る旅|前編】
 しかも、すぐに「いや、バカげたことではないよね。(フェリアは)大きなイベントだ。リスペクトを欠いてはいけない。僕が言いたいのは、チームの一員としてそういう気分にはなれないということだ」と発言を訂正した。

 だが、一部のベティスサポーターから、SNSなどで批判の声が上がった。

 その後、カンプ・ノウでのバルセロナ対ベティス戦を現地で取材した際、ベティコの若者グループにこの発言について、どう感じたかを尋ねてみた。すると、男性のひとりがこう答えてくれた。

「もちろんそのコメントは知っているよ。すぐに言い直したよね。だから問題ないよ。そんなことでベティコ(ベティスのファン)は怒らないよ。怒っているのはセビージャのサポーターじゃないのかな(笑)。クボはいい選手だよ。俺は好きだよ」

 友人たちも一同に頷いていた。

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