「ミトマの代表辞退は英断だった」昨季はチンチンにしたリバプールDFに敗北。三笘薫の “酷使”にブライトン番記者が懸念「使わないのはもったいないが...」【現地発】

2023年10月12日 リッチー・ミルズ

前半はボールタッチ数も数えるほどだった

精彩を欠いたリバプール戦後に日本代表からの辞退が発表された三笘。(C)Getty Images

 最高の天候の中で開催された10月8日のリバプール戦。ブライトンはホームで2-2の引き分けも、強豪相手に実力を証明した。

 序盤から攻勢だったアルビオン(ブライトンの呼称)は20分、サイモン・アディングラが昨季までブライトンをけん引したアレクシス・マカリステルからボールを奪い、すかさずミドルシュート。ビルドアップのためにポジションがズレていたゴールキーパー、アリソンのポジショニングを見逃さずに、ブラジル代表の脇を通す一撃で先制に成功した。

 しかしホストチームはハーフタイム直前に連続して"自爆ボタン"を誤作動させてしまう。一度目はルイス・ダンクのパスミスを拾ったリバプールがボールをつないで、最後はモハメド・サラーがしっかりフィニッシュ。

 その5分後には、パスカル・グロスがドミニク・ソボスライをペナルティーエリア内で引きずり倒してPKを与える。これを再びエースのサラーが仕留めて、あっさりと逆転を許してしまうのだった。だがキャプテンのダンクは、78分にソリー・マーチのフリーキックを押し込んで同点ゴールを奪い、勝点1をゲットするのに貢献している。

 そしてそのわずか3日前に敵地で開催されたヨーロッパリーグのマルセイユ戦で、マン・オブ・ザ・マッチ級の活躍を見せた我らが三笘は、この試合では明らかに疲れが残っており、精彩を欠いた。

 昨季から続く「三笘 VSトレント・アレクサンダー=アーノルド(TAA)」のバトルだが、今回はレッズ(リバプールの愛称)の右サイドバックに軍配が上がった。

【動画】ノーPK判定は妥当? 三笘のシュートがハンドにならなかった場面
 昨シーズンに対峙したのは3回。プレミアリーグで2試合、さらに1月のFAカップでも対戦している。このすべてで、特に1月に2度ブライトンのホームで顔を見合わせた際には、日本代表のエースがTAAを文字どおり"チンチンにした"。加えてFA杯の一戦では、三笘が劇的な"ダブルタッチ弾"で決勝点をもぎ取り、イングランド内で一躍有名にさせた試合でもあった。

 だがこの日はまるで形勢が逆転していた。2023年初頭のバトルの際には、リバプールの右サイドバックをこれでもかというほどに攻め続け、元来から懐疑的に見られていたTAAの守備のクオリティが再びフィーチャーされることにつながった。ある意味これが容易で、昨季の後半戦、TAAはポジション変更を余儀なくされて、中盤の底でプレーする機会が増えていった。

 それだけに、2人の対決で三笘が負ける可能性は少ないと見られていた。しかしリバプール出身の25歳は、日本からやってきたブライトンのエースを押さえつけることに成功するのである。

 しかし一方で、この日の日本代表アタッカーは明らかに普段のエネルギーが欠落していた。特に前半は、ボールタッチ数も数えるほどだった。

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